#うちで踊ろう
久しぶりのブログとなりました。皆さんいかがお過ごしでしょうか。
2020年、世界中に甚大な経済的被害と感染被害をもたらしている新型コロナウイルスの影響により、外出を控え自宅での生活を送っている方が沢山います。
2月中旬頃から大規模なライブやコンサートの中止、更に4月に入ってからはライブハウスやホールの営業停止など、音楽業界にも深刻な経済的損失が発生しています。
誰がどう見てもヤバい状況が続いている昨今ですが、SNSではこの危機を何とか乗り越えようと、様々な対策が提案されています。
その一つが、タイトルにもある#うちで踊ろうというハッシュタグ。シンガーソングライターの星野源さんがインスタグラムにアップした1分程の弾き語りの楽曲のタイトルで、これに共感したミュージシャンや芸能人が、この動画に伴奏を付け足したり面白いコラボをしてSNSを盛り上げています。
この閉鎖的な状況を逆手にとって生まれたこの#うちで踊ろうですが、筆者はこういう状況でも打算的な狸なのでありました。
(こういうインドア推奨ソングって他にもあったよな...?)
そうです、この記事はそんなインドア推奨ソングを思いつく限り紹介していく記事になっています。
あまり知名度は無い曲が多いですが、この状況だからこそ共感できる曲ばかりなので是非とも聴いてみてください。
HINTO / アットホームダンサー
筆者がインドア推奨ソングとして真っ先に思いついたのがこの曲。元スパルタローカルズのメンバーによって2012年に結成されたバンド「HINTO」の代表曲。
何といってもこの耳に残るイントロのリフ。邦楽ロックってこういうギターリフが印象的な曲って少ないので、こういうバンドが居る事をもっと知られてほしい。
歌詞は仕事から直帰して、さっさと家で好きにやろうぜ的なコンセプト。洗練されたバンドサウンドにルーズな歌詞が乗っかって何処となく不安定な感じがすごく好きです。
家は最高さ!
Lucky Kilimanjaro / HOUSE
インドア推奨ソングと聞いて、これを思い浮かべた人は多いのでは。
バズリズムの2020年コレがバズるぞランキングでは22位という微妙な順位を獲った期待の若手バンド、ラッキリことLucky Kilimanjaroの楽曲。
「NETFLIX」「Spotify」といった近年のオンラインサービスの固有名詞が歌詞にバンバン出てくるのが、何とも近代的というか消費者ベースで作ってあるなぁという印象。バンドのファン層が圧倒的に若者であることも頷ける。
曲の構成が、サビを歌わずEDMのドロップ的な展開に持っていくのがすごく面白い。EDMみたいに音圧で抑揚を付けずに単純にキャッチーなリフで落とすのは大発明だと思います。実際、歌が無いのにサビが一番印象に残るし。
あと毎回思うけど、ボーカル以外のメンバーは欠席しても問題なさそう。
ポルノグラフィティ / 9.9m²
ご存知ポルノグラフィティさんの隠れた名曲。シングル「2012Spark」のカップリング曲で、アルバムにも一切未収録。それを踏まえてこのイントロ。もはやギャグレベルのかっこよさなんですが。
タイトルの「9.9m²」とは、およそ6畳のワンルームの広さのこと。歌詞にも「6畳のワンルーム」と出てくる。
実はこの曲はインドア推奨ソングと言える内容ではなく、狭いワンルームで悶々と生きている売れないミュージシャンを歌っている曲なんですが、シンプルに紹介したかったので紹介しました。
イントロのカッティングのフレーズだけで白飯3杯はいける。
SAKANAMON / TACHNOMUSIC
今一番売れてほしいバンド、SAKANAMONの隠れ人気曲。
「タクノミュージック」そう、「宅飲み」推奨ソング。しょうもないけど、こういうセンスを持った人間こそ評価されるべき。
楽曲はテクノミュージックさながらの打ち込みドラムにカッティングギターが乗っかるメロウなサウンド。酔っ払って聴くとかなりトリップできそう。ちなみに自分はお酒に酔えないタイプなので分かりません。
「偽った快楽から覚めるまで」と締めくくる歌詞も妙にシリアスで面白い。
J-ヒップホップ界の重鎮、RIP SLYMEの2013年にリリースされた楽曲。
この曲が発売される前、実際にRIP SLYMEが約2年の休暇を取っていた事からこの「ロングバケーション」という曲が作られたという背景がありますが、何となく楽しいイメージを持たれがちなリップの休止明けのシングル表題曲が、このしっとりしたミドルチューンなのが何とも粋で素敵。
全体を通して「梅雨」をイメージして作られていて、水滴が落ちる音がサンプリングされていたり、雨という単語が登場したり、どことなくジメジメしたイメージを感じるはず。この曲が出たのも5月の下旬辺りで、その辺が徹底してるのが流石プロ。
日本中がロングバケーションとなった今、この曲が流行る可能性は微レ存どころじゃないのでは。
American Football / Stay Home
最後は洋楽から1曲。ポストロック界隈の中では伝説となっているバンド「American Football」の1stアルバムからの楽曲。
これまでの「家は最高、楽しもうぜ!」といったムードから一転。「もう... 家に居ようぜ...」という推奨もクソもない切実なメッセージソング。
とはいえポストロックバンドの歌詞なので割とメッセージ性に重きを置いておらず、あくまで記号的に聴くのが正解なんだと思うので、和訳とかは載せないでおきます。あくまでフィーリングで。
このアルバムのクライマックスを飾る8分超の大作で、部屋を暗くして腰を据えて聴くもよし、迫力のライブ映像を見ながらカタルシスに浸るもよしの、ポストロック良いとこ取りのような曲。
toeのような邦楽ポストロック好きなら全く無理なく聴けるのでお勧めします。ただ1stアルバム発売直後に14年もの活動休止期間を経ているので、そこそこベテランなのに楽曲数が異常に少ないのが難点。もっと頑張ってほしかった。
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今回はかなり広いジャンルから選んでみましたが、いかがでしたか。
この中から皆さんの夜のお供になる1曲が見つかれば幸いです。
そして、一刻も早く世界が平穏を取り戻し、音楽をより身近に楽しめる日が戻ってくることを祈っています。