諂諛

音楽好きによる音楽好きの為の雑記。

しりとり名曲紹介 No.5 [トラベルプランナー / ハヌマーン]

 

正直今回の記事は謎のプレッシャーを感じている。

 

ファンが多いだけに変にレベルの高い評論をしないといけない気がします。

なので、先に言っとくと今回もべた褒めして終わりです!Fxxk!!!

 

 

 

概要

 

・邦楽オタクの僕が、人生で特に影響を受けた楽曲、音楽ファンなら絶対に聴くべき往年の名曲、時代と共に完全に忘れられつつある超・隠れた名曲を紹介するコーナーです。

・その名の通り紹介する楽曲の名前を、しりとりで繋いでいくというマゾ縛りとなっています。

・基本的にアーティストの被りは無し、「ん」で終わる曲は1つ前の文字を繋いで続行します。

(例)にんじゃりばんばん → 「ば」から始まる曲を次回紹介。

 

 

 

 

トラベルプランナー / ハヌマーン

 

 

 

2004年結成、2012年に解散し、全国流通盤はフルアルバム1枚とミニアルバム2枚と非常に少ない活動ながら、音楽ファンから未だに評価され続けているハヌマーン

この楽曲は1stフルアルバムWorld’s System Kitchenに収録されています。

 

 

 

イントロからもう他人に弾かせる気の無いアルペジオのリフ。兄さんそれ32分音符入ってますって!

これを弾きながら歌うとか多分本人も無理でしょう。マジでスリーピースを終わらせようとしてる。

 

 

そして歌詞の冒頭から見ていくと、

 

アラーム音 固定パターン1に 感情まで支配される朝は

血でも魂でも 何でも売っ払って たった一秒でも長く眠りたい

 

 

前半に畳み掛けるな。

 

 

ラスサビの1フレーズ

明かりもテレビも点けたまんまで疲れて眠ってしまった

行けもしない旅行の計画を浮かべながら

 

こんなん一人でライブ帰りとかに聴いたら染みない訳がないでしょう。

 

 

邦楽においての歌詞の大きな要素に「共感できる」とか「感情移入できる」というポイントで評価されることが多いですが、ハヌマーンはまさに音楽ぐらいしか趣味の無いオタク層にバッチリ刺さる歌詞を作っていて、それが、音楽ファンから評価される理由になっています。

他の曲ももちろんどれも素晴らしい歌詞ばかりなんだけど、トラベルプランナーに関しては、「あぁー分かる分かる!」なんて生易しい感情じゃない、もうどっから俺のこと監視してたんですか!と唸りたくなる。

 

だから、やってる事はほぼ西野カナと同じだと思っています。

 

ターゲットが女子から音楽オタクに変わっただけで、僕らもまんまと「夜中に聴くハヌマーンは本当に染みる。。」とかツイッターで呟いてしまうのです。本当は聴いてもいないのに。

 

やっぱり音楽にのめりこむ人たちって、人生のどこかで正規のレールに乗り切れずに躓いてしまったような人たちの集まりなので、どこか「正しい人」への抵抗があったり嫉妬もあったりして、基本的には劣等感を抱いて生きているんですね。

 

山田亮一はそんな人間性を、もうこれでもかというほど上手に、器用な言葉の使いまわしで表現している。

だから僕らはそれに共感するし、ハヌマーンの音楽を肯定することによって、自分の存在を肯定できている錯覚に陥る。

ハヌマーンを語っている自分に酔えるのです。

 

 

さぁ今日は語りますよ。

 

 

 

邦楽ロック00年代の終焉

 

このアルバムが出たのが2009年なんですが、この時期の邦楽ロック界隈の流行が

・クールで無表情な佇まい

・高い演奏力、変則拍子の多用

・暗い歌詞

という、昨今の流行にはまったく無い要素ばかりだったのですが、本当に当時はこういうバンドが多かった。

 

ハヌマーンもまさにこれらの要素をすべて含んでいると思うのですが、さっきの三要素を△のグラフにして表すならば、ハヌマーンは全部が突き抜けていた。

 

めちゃくちゃ大袈裟に聞こえるかもしれないが、彼らはこの邦楽ロックの流行を終わらせたバンドなんじゃないかと思っていて。

 

例えば今の流行を見れば、全体的に明るい踊れるサウンド、シンガロングやハンドクラップなど観客と一体になるセクションの多用、意味よりも語感や語呂に重きを置いた歌詞などの要素がありますが、これらの要素を完璧に含んでいて、かつ今までにないぐらいのクオリティやスター性を持ったバンドが現れたとすると、もう後発のバンドはそのバンドに太刀打ちできずに他の方向性から攻めるしかなくなるんです。

 

2010年ごろのハヌマーンは、まさにそんな感じでした。事実それ以降で、演奏技術や難解さを売りにしたバンドはほとんど出てこなかった。強いていうならthe cabsぐらいかな。

2010年ごろ、その流行の流れを変えたのがSEKAI NO OWARI神聖かまってちゃん等だったはず。その頃からYouTubeと音楽の親和性がどんどん高まってきて、音楽における映像の比重もますます増えていった気がします。

 

ここから何年後かに、また違ったロックバンドの流行のサイクルが来て、もしかしたらまた難解さを競い合うような時代が来るやもしれませんが、どうせ僕みたいな卑屈なエセ音楽評論家が出てくるだけなんでもう来なくていいと思っています。

 

最近の若い子は知らないかもしれないけど、2010年とかその周辺のネットのアンチの数って本当にヤバかったんですよ。

人気のアーティストのamazonのレビューとかに100件とかの誹謗中傷コメントがあるのが当たり前だったんですよ。僕はしてないよ、そんな事。

 

 

 

***

 

 

最終的に時代懐古するだけのオッサンじゃないか!と揶揄されかねない内容になりましたが、僕は今の流行も悪くないと思っています。

普通にみんな当たり前のように演奏うまいし。なんでみんなあんなにイケメンなんですかね。

 

単純に00年代と比べて、「バンド音楽を聴く」という事への抵抗がめちゃくちゃ減っているのも事実。

そっから、例えば友達からとか、もしくはこの記事を見て、少し前の年代のロックバンドに興味を持ってもらえれば、これ以上の僥倖は無いと僕は思います。

 

 

 

長くなりましたが今回はこの辺で!次回は「ナ」から始まる名曲を紹介します。

 

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THE BACK HORN好き以外は見るな! THE BACK HORN名曲ベスト200

 

バックホーン好きの皆さんこんばんは。

 

 

いやぁ、KYO-MEIツアーも佳境に入り、三度目の武道館公演も近づいてますね。

先日、ツアー福岡が松田さんの怪我により延期になりまして、コメントを見て「アーイタソウ…イテテテ…」となった方も多いんじゃないでしょうか。

心配ですが、今は療養に専念するのが最善ですね。

 

 

さて今回の記事は、そんなバックホーン20周年を記念して、全曲余すところなく聴きつくした僕が、独断で全曲を1位から最下位まで決めようじゃないかと。そんな企画でございます。

 

最下位って聞くとなんだかネガティブなイメージがありそうですが、何をおっしゃるファンだから、すべて好きだからこそ最下位を決められる訳で。

あと、最下位の曲が嫌いとか、そんな事は一切ございません。だから企画タイトルも「名曲ベスト200」そう、ベスト。ワーストの曲などバックホーンにゃございません。

 

 

 

まあ、そんなことはないんだけど。

 

 

そんな企画を始めるにあたって、バックホーンの楽曲をプレイリストに起こしてみたところ、なんと現在のバックホーンの全楽曲(一部シークレットトラック等除く)がちょうど200曲!

すごい!キリがいい!見やすい!

そして20年で200曲もの楽曲を生み出しているバックホーンはすごい。メンバー4人とも作曲しているとはいえ、1年10曲のペースで作っていたんですね。

 

というわけで、約3か月かけて厳選に厳選を重ねて作った、個人的バックホーン名曲ランキングをまとめてみました。

 

 

 

個人的THE BACK HORN名曲ランキング200

 

・インディーズ1stアルバム「何処へ行く」から最新シングル「ハナレバナレ」までの楽曲を対象に集計しています。

・トリビュート盤収録のカバー曲、シークレットトラック「未来ネズミ」「母さんの唄」、「産声チェインソー」収録の「鍵 -overture-」は除外しています。

 

1位~50位

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51位~100位

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101位~150位

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151位~200位

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ここまで熱心に見てくれた方、ありがとうございます。

もうここからは本物のバックホーンガチ勢しか残っていないと思いますので、心おきなく話ができそうだ。

 

やっぱり個人的にも1位はコバルトブルー。最初に聴いた時の衝撃も大きかったですし、未だに色褪せない。

そして2位は生命線。実はまだライブで一度も聴いたことがなく、次こそは聴けると信じている曲です。

イントロだけでいうと、バックホーンとかじゃなくて生涯聴いた全曲の中でもトップ5には入る、「名イントロ」の曲。

死の淵から生を見上げるような熱い眼差しを持っている、まさに名曲。

 

個人的にかなり上位に来ている「蛍」「海岸線」辺りも好きなんですよね。

菅波栄純の作るメロディと、コードワークの多彩さは本当に日本の宝だと思っています。

 

44位の「ホワイトノイズ」辺りは、個人的なランキングではかなり上位に来る大好きな曲です。

BSのドキュメンタリー番組で、この曲の日比谷野音でのライブ映像が放送されて、その時の映像を見たことがあるんですが、それがめちゃくちゃ良くて。

ただ、この野音以来一度もライブでやってないんですよね。生で聴けたら昇天してしまうかも。

 

シングル曲最下位は「シンメトリー」でした。この曲は個人的にはスルメ曲。

今のバックホーンだから歌える明るい曲ですね。

ただMVはダサい。これは断言します。ド頭の星ピューンみたいな演出なんか低予算アニメのオープニングみたい。それを狙ってるんだとしたらすごいけどなぁ。

 

そして最下位は「夜空」。たしか初めての岡峰さん作曲だったはず。

綺麗な曲だとは思うんですが、個人的には最下位にしてしまいました。

ただ改めて聴くとこれもいい曲なんですよね。ギターソロが案外狂ってて好きです。

 

 

 

最後に、改めて200曲聴いてみて、こんなに捨て曲がないアーティストは他に居ないと思いました。

シングルのカップリングも全くクオリティが落ちないので、下位にカップリングが固まる事もないですね。

 

そして、やっぱり上位に入る曲は何度聴いてもグッとくる。まあファンだから当然なんですけどね。

 

あと、バックホーンの一番の武器は、やっぱりメロディだなと思いました。

勿論、初期の狂気を感じる歌詞やパフォーマンスも大きな魅力ではありますが、狂気の中にもメロはポップさを含んでいたり、テンションコードや数学的な拍の取り方でちょっとした穴を作るんですね。

決して勢いだけで走らず、J-POPとしてしっかり優れた作品に落とし込む力を持っているのがバックホーン。

簡単に言うと銀杏BOYZいきものがかりが融合したみたいな感じか。

 

 

違うな。

 

 

 

 

***

 

 

では今回はこの辺で。この全曲ランキング企画、他のアーティストでもやってみたいと思います。

ありがとうございました!バックホーン最高!

 

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しりとり名曲紹介 No.4 [蒼天ディライト / Wienners]

M-1グランプリ2018王者が決まりましたね。今年も面白かったなぁ。

 

やっぱり僕はキングオブコント2009で、東京03が圧倒的なネタを見せたあと、史上最高得点の950点台を叩き出した瞬間が、何度見てもドキドキします。

 

生放送の賞レースという、この上なく緊張した場面で、その場にいた200人強の大人が「ドヒャーー!!!」っていうんだよ。

ここはアメリカかと。

 

本当に面白い芸を見せられると、審査員が叩かれる余地すら無いんですよね。

チュートリアルM-1で優勝した時も同じく、ぐうの音も出ない面白さ。

 

どのジャンルにしたって、芸事の天才には尊敬を通り越して、誇りすら感じるなぁと思う今日この頃。

 

 

 

 

 

普通ならこれで終わりだよね!

 

ごめんね!曲紹介やるね!!!ヨロレイヒ!!!

 

 

概要

 

・邦楽オタクの僕が、人生で特に影響を受けた楽曲、音楽ファンなら絶対に聴くべき往年の名曲、時代と共に完全に忘れられつつある超・隠れた名曲を紹介するコーナーです。

・その名の通り紹介する楽曲の名前を、しりとりで繋いでいくというマゾ縛りとなっています。

・基本的にアーティストの被りは無し、「ん」で終わる曲は1つ前の文字を繋いで続行します。

(例)にんじゃりばんばん → 「ば」から始まる曲を次回紹介。

 

 

 

蒼天ディライト / Wienners

 

 

 

4回目にして、初のアゲ曲。めでてぇ。

 

 

というわけでWiennersなんですが、個人的に本当に知名度が分からないバンドの一つで、Youtubeの再生数は安定して伸びるんだけど、私生活でWienners好きです!って人に会ったことがない。

 

あれだよね、このボーカルの人が、でんでんぱっしょん作った人ってのは、みんな知ってるんだよね…

僕はもう知ってる体で進めるよ!

 

 

 

 

 

他のネット記事とか至る所で、玉屋2060%は天才だと褒め称えられますが、これに関しては本当にその通りで、作曲やってる人なら”2060”という数字を見ると震え上がるぐらい、この人のセンスはホンモノ。

 

この曲なんか特に、聞いた瞬間に「あぁ~でんでんぱっしょん作った人と一緒なの分かる~」と僕の中のみちょぱが言うんですが、実はそれってめちゃくちゃすごい事で。

古くは小室哲哉から、中田ヤスタカ川谷絵音氏にも言える、「彼が作った曲は誰が歌ってても一発で分かる」あの現象。「節」というやつ。

 

複数のボーカルを使って、どちらかをハモりや合いの手みたいに使って、どちらかがメインのラインを歌う手法ではなく、長ーーい1本のメロディラインを隙間なく作っておいて、それを両方が矢継ぎ早に交互に歌うことで完成するような手法を用いているので、従来なら「これ息継ぎするポイントがないからボツやな」と捨てられるようなメロディも歌えるというわけですね。

マジで発明。

 

 

さらにWiennersをさらに深く聴くとこう思ってくる。

 

 

 

ジャンル何個入ってんの

 

何が凄いって、あらゆる音楽ジャンルを取り入れて、それをミックスした新しい音楽を作り上げてしまったこと。

 

初期のWiennersとか、玉屋さんが前に組んでいたSCHOOL YOUTHというバンドもそうだけど、元々はパンクバンドにニューウェーブとか渋谷系から派生したサンプリングを用いたプログレちっくな音楽をやってて、

1stミニアルバムのシャングリラという曲辺りから、中華風だったり和風だったり、エスニック系のメロディを取り入れるようになり、

この蒼天ディライト辺りから、ポップさを感じる派手なシンセ音も取り入れるようになり、

その後2014年に発売された「DIAMOND」というアルバムでは、その巡り巡ったルーツの全てがごった煮状態。聴いてるだけで世界が開けるような、完璧なアルバムを作っています。

 

ただその後、中心メンバーであった女性ボーカルMAXさんと、ドラムの脱退。1年ほど活動休止という事態に。

その後、その二人の溝を完璧に埋めるメンバーを入れて復活を遂げました。

 

冷静に考えてあんなめちゃくちゃな曲をほぼ全曲コピーできる女性ボーカルとドラムをもう一度探し当てたのは物凄い奇跡なので。

新体制になってワンマンも行きましたが、パワー衰えるどころか、増してた。

 

正直、メンバー脱退からちょっと離れちゃったっていうファンも中には居たと思うんだけど、まったくその心配は無いと思います。

 

 

地球の平和を取り締まる警備隊Wiennersを、皆さんどうか聴いてみてください。

 

次回は「と」から始まる名曲を紹介します!

 

 

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しりとり名曲紹介 No.3 [素晴らしい嘘 / 古明地洋哉]


コーナーを始めて3週間経ちましたが、実は次の曲ももう決まっており、実の実はもっと先の曲まで決まってます。

 

どこまで続くのかは今のところ秘密ですが、

僕は好きな音楽の話をするポテンシャルの高さは国体級なので、ご心配なく。

 

 

概要

 

・邦楽オタクの僕が、人生で特に影響を受けた楽曲、音楽ファンなら絶対に聴くべき往年の名曲、時代と共に完全に忘れられつつある超・隠れた名曲を紹介するコーナーです。

・その名の通り紹介する楽曲の名前を、しりとりで繋いでいくというマゾ縛りとなっています。

・基本的にアーティストの被りは無し、「ん」で終わる曲は1つ前の文字を繋いで続行します。

(例)にんじゃりばんばん → 「ば」から始まる曲を次回紹介。

 

素晴らしい嘘 / 古明地洋哉

 

 

スペースシャワーTVのロゴが右上。ちなみに2004年以前はロゴが右上だそうです。

 

コメイジヒロヤと読みます。シンガーソングライター。

2001年にメジャーデビューし、何作かアルバムをリリースしています。現在は都内で弾き語りライブを定期的にやっています。

 

この曲が収録されているアルバムのタイトルは「孤独の音楽」。これが象徴するように、古明地さんの音楽はとにかく孤独。

心の闇を肯定する音楽が特徴です。

 

 

言い切ってしまうならば、暗い。

 

うん。。。

 

 

『鬱ロック』

 

 

‘00年代前半、この曲が出た時期がど真ん中だと思うんですが、「鬱ロック」という物騒なものが流行ったらしいのです。

そしておそらく、この言葉は今後のしりとり名曲紹介でも度々出る事になると思います。

知らない人は、覚えてね。

 

オイラはボイラ。

 

 

***

 

 

 

鬱ロックに当てはまるバンドといえば、Syrup16gART-SCHOOLBURGER NUDSなど。

上の三つは、一つも知らないか、全部当たり前に知ってるか2極化するバンドたちだと思います。

 

古明地さんの音楽性は、このジャンルを好きな人には間違いなくドンピシャ。

だって再生1秒足らずでD#m。1番暗いコードを重たいギターとすきま風のような冷たい響きのストリングスでドジャーン!と鳴ってくる。

 

マイナーコード始まりの歌って最近めっきり減った気がしていて、フラカンの深夜高速やバックホーンのコバルトブルーのような重たい響きが好きな僕にとっては、久し振りに芯からヒットした曲でした。

 

加えて歌詞もすげえ。「もっとうまく話せたら 誰も泣かずに済んだだろうか」とか、雨に打たれながら作ったのかと思うぐらい。

 

 

 

とまあ、この曲の暗い部分を取り立てて紹介しましたが、それだけじゃなく単純にメロの精度が半端なく高いのです。

一回のサビの中で同じメロディを繰り返すことをリフレインといいますが、この曲のサビではほぼそれがなく、サビ全体で一つのくくりのような構成になっています。

サビのコード進行もそれに合わせて、繰り返しの無い多様な進行になっています。

 

ここが、ただ暗いだけじゃない、この曲の美しさ。

 

個人的には、まさにシングルの表題曲といった感じの、時間をかけて作っているのが伝わる傑作だと思います。

 

 

 

最後に、この曲をカラオケで歌いたいんだが入ってないのよ。

絶対歌ったら気持ちいいんだよ。

 

 

 

 

今回はここまで! 次回は、「そ」から始まる名曲を紹介していきます。

 

 

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しりとり名曲紹介 No.2 [ダンス、ダンス、ダンス / People in the Box]


先日、久しぶりにIGZOLOGICの動画を見たらやっぱり凄いなぁと思った。

そしてあの動画が公開されて10年経ったそう。嘘でしょ。。まぢ無理。。

 

知らない方はIGZOLOGICで検索して見てほしいです。マジでしょうもないです。

 

 

概要

 

・邦楽オタクの僕が、人生で特に影響を受けた楽曲、音楽ファンなら絶対に聴くべき往年の名曲、時代と共に完全に忘れられつつある超・隠れた名曲を紹介するコーナーです。

・その名の通り紹介する楽曲の名前を、しりとりで繋いでいくというマゾ縛りとなっています。

・基本的にアーティストの被りは無し、「ん」で終わる曲は1つ前の文字を繋いで続行します。

(例)にんじゃりばんばん → 「ば」から始まる曲を次回紹介。

 

 

 

 

ダンス、ダンス、ダンス / People in the Box

 

 

2003年結成、残響レコードよりインディーズデビューした後、日本クラウンにてメジャーデビュー。今もメジャーに居る実力派バンド、People in the Box

 

この曲は、2012年にリリースされた「Ave Materia」のリード曲です。

 

ピープルといえば我らが残響レコード全盛期にも、一番人気があったんじゃないかなぁ。僕はピープルが好きすぎて、高専生時代にコピーバンドを組んで、毎回ほぼ全曲違うセットリストで最終的に20曲ぐらいはコピーしたと思います。またやりたいなぁ。

 

そしてこのダンス、ダンス、ダンスですが、件のコピーバンドではやりませんでした。残念。

 

 

***

 

 

当時リアルタイムで追いかけていた体感としては、このアルバムの前作「Citizen Soul」あたりからピープルの表現のベクトルが変わってきた感じがあって、この「Ave Materia」は、今全作品を通して見ても、ちょっと浮いてるなぁと思っています。

このアルバムだけ、ほぼ全曲アコースティックギターの音色がメインで鳴っていて、意図的にほかの作品との差別化を図っていますよね。

 

先程言った、表現のベクトルの違いってのは、やっぱり歌詞の内容ですね。

 

初期のピープルは歌詞に独特の比喩が多く使われていて、どちらかと言うと詩的で物語のような表現が多かったのに対し、後期は何か波多野さんの憤りのような物をこちらに投げかけられているような感覚があって。

ダンス、ダンス、ダンスがこのアルバムのリード曲に選ばれたのも、そのメッセージ性に焦点を当てた結果選ばれたのかなぁとも思ったり。邪推。

「愛が全てというなら、汚れ一つ許せないね」という正論なんだか暴論なんだか分からん言葉をサビの頭に持ってきたり、哲学者の友達の話だけで2コーラス目を歌い切ったり、この曲は特に、波多野さんのパーソナルな部分が垣間見える、不思議な曲。

 

ちなみに、イントロから繰り返されるギターのリフは、ピアノで弾きながら作ったのだそう。彼はギターを何だと思ってるんだ。

 

 

このMVもべらぼうに完成度高いですよね。監督は加藤隆さんという方。伝説の「旧市街」や「ニムロッド」「気球」も手掛けているスーパーマン

 

彼のツイッターを見るとハイセンスの権化すぎてめちゃくちゃ製作意欲を掻き立てられるので是非見てほしい。

 

 

 

今回はこの辺で。次回は「す」から始まる名曲を紹介いたします!

 

ありがとうございました。

 

 

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しりとり名曲紹介 No.1 [REMINDER / ストレイテナー]

久し振りのブログ更新になりました。

 

単発記事はそこそこにあるんですが、ここ2週間ほどレコーディングをしていて、更新が空きましたがまだ飽きてないからな!

 

これからも地道にコツコツやっていきますので、よろしくお願いいたします。

 

 

***

 

というわけで、今日から新しく連載企画を始めたいと思います。やった!

タイトルの通り、邦楽オタクの僕が紹介したい名曲を、しりとりで繋いでいきながら一曲ずつ紹介していくという企画でございます。

 

単純に曲を紹介するだけでも良かったのですが、それだと踏ん切りがつかないというか、選択肢が多すぎてまごまごしてしまいそうだったのでこのような縛りプレイを楽しみながら続けていこうと思います。

 

目標は毎週水曜日に一曲ずつ紹介できたらいいなと思っています。あんまり期待しないでね。

 

記念すべき最初の一曲は、しりとりの「り」からスタートしましょう。

 

 

 

REMINDER / ストレイテナー

 

 

今年で結成20周年のバンド、ストレイテナーの2004年に発表された楽曲。

ミニアルバム「ROCK END ROLL」、アルバム「TITLE」そして後発のベストアルバムにも収録されていますね。

今年の10月に発売されたファン投票ベストアルバムには、ファン投票数1位で収録された、屈指の名曲というに相応しいナンバーです。

 

はい。そうですね。

 

僕がこの曲と出会ったのは中学2年生の頃だったと思うんですけど、1回目に聴いた時のジーンときた感覚は今でも覚えています。

ライブハウスやバンド仲間などから音楽的なルーツを聞かれたら間違いなくストレイテナーを挙げるほど、僕の中でストレイテナーは原点にして頂点。

 

ドラムを始めたきっかけはストレイテナーの「KILLER TUNE」のMVを見て俺にも頑張れば叩けるんじゃね?と思って動きを真似した所からなのです。

だから本当にストレイテナーとこの時出会っていなかったら人生変わっていたと思います。まあ音楽は好きだったから、きっとどこかのタイミングでは出会っているだろうけど。

 

ストレイテナーのいい所って、歌詞に力感がないというか、無理に伝えようとしないところがいいんですよね。

この曲は音楽に対する初期衝動のようなものをテーマにしているけれど、「あの時の衝動を忘れない~」とか歌うんじゃなくて、

「そこから何かが変わっていくだろう」というサビの1節で、勝手にそこに自己投影できる。曲の背景やドラマは自分で作れる。その優しさと信頼感が、ストレイテナーの魅力なんだと思います。

 

 

僕は今もバンドをやっている訳ですが、僕が中学の頃憧れて、そこから楽器を始めてバンドを始めるっていうストーリーが、まさにこのMVのストーリーそのままなんですよね。

いつかは僕も、このMVの最後のシーンのように、満員の観客の前でライブをしていたらいいなぁ。

なんていい話なんだろう。

 

自分勝手な思い出に浸ってしまいましたが、本当に名曲なので、知らない人は是非とも。聴いていただきたい。

 

長くなってしまいましたが、今回はこの辺で。

 

次回は「リマインダー」の「だ」から始まる曲だよ!お楽しみに!

 

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ドキドキ!バンド名 or 小説のタイトルクイズ

 

皆さん、最近ドキドキしてますか。

 

 

 

僕はこの間コインランドリーに洗濯しに行こうと思って、止むを得ずノーパンで向かってたら履いていたズボンがめちゃくちゃズレそうになってずっとドキドキしてました。

 

 

そんなドキドキを味わいたい皆さん、ようやくこの日が来ましたね。

 

 

 

 

今日はクイズをします。

 

はーいみんな教科書しまってー!

 

 

 

今日はタイトルにある通り、

その単語が「実在するバンドの名前」か、「実在する小説のタイトル」かを考えていただきます。

 

まあ最近に限ったことではないですが、「神様、僕は気付いてしまった」「雨のパレード」等、ぱっと見バンド名と分かりづらいバンドが多いのはよく言われています。

 

そこで、僕は気付いてしまった。

 

この文章めいていて単語めいている感じ、正に小説のタイトルの雰囲気と似ていると。

 

神様、僕は気付いてしまったよ。

 

 

 

というわけで早速問題に参りましょう。

 

 

 

 

問題

 

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上の画像の9つの単語は、バンド名と小説のタイトルが一緒くたになっています。

 

果たして、どれがバンド名で、どれが小説のタイトルでしょうか?

 

 

 

下にスクロールするとヒントと答えが出ます

 

 

 

 

 

ヒント: バンド名が4つ、小説のタイトルが5つ

 

 

 

 

 

 

えっ

 

 

 

もう答え見ちゃうんですか????

 

 

しょうがないなぁ〜

 

 

 

 

 

 

答え

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見にくくてごめん!

 

 

解説していきます。

左上から

 

午前四時

これは最近のバンドではなく、1980年代初頭に都内で活躍したバンドだそうです。元祖ゴゼヨ。

活動期間が短く、ライブ盤1枚しか発売されなかったバンドながら、評価は非常に高く現在もファンに支持されているバンドだそうですよ。

 

漂泊者のアリア

めちゃくちゃ最近のバンドっぽい名前をしていながら、実は直木賞受賞作。

古川薫さんの小説です。

これがバンド名じゃないと見破るコツは、「漂泊」という漢字を使えるほどバンドマンは頭が良くないと感ずる事。

 

妄想銀行

ショートショートのパイオニア星新一が出版した小説。

僕自身が星新一の大ファンなので、単純に入れたかっただけではありますが。

よくよく考えたらあんまりバンドっぽくはない。

 

裸虫

今東光による小説。"裸体"はバンド。

 

みるきーうぇい

ここでやっと出てきた最近のバンドです。

クイズ大好きで頭のいい人は、「みるきーうぇいなんてバンドっぽいからクイズにするからには小説なんだろう」と深読みしてくださったかもしれませんが、残念、普通にバンド名でした。

 

キアズマ

近藤史恵による小説。

先程述べたコツを活用すればこれも余裕で正解できるはず。

「キアズマ」とは生物学の用語らしいのですが、こんなインテリジェンスに溢れる言葉を、ただ奇を衒いたいだけの薄っぺらい知識しかないバンドマンが知るはずないのです。

 

エドガー・サリヴァン

大阪で活動中のバンド。村上春樹の小説っぽい名前。

 

豚乙女

こうやって並べられると猟奇小説のタイトルでありそうな名前ですが、実はavexからメジャーデビューしている実力派。

東方Projectのアレンジ楽曲、コミケでの出品などサブカル方面の活動中心にやってきたバンドだからなのか、普通のバンド好きへの認知がほぼゼロなのがもったいない。

 

小さいおうち

中島京子による小説。恐らく今回の小説の中では一番有名だと思います。知ってる人もいたのでは。

逆に知らない人にはバンド名にしか聴こえない不思議な名前。

 

 

さて、皆さんは何問正解できたでしょうか?

実はこの記事を出す前に、バンドマンの友達に同じ問題を出したところ、

全員5つ以上は正解できたので、6つ以上正解できたらかなりセンスありです。

全部知っていた、という猛者はまず居ないと思いますが、もし居ましたらご一報待ってます。

 

最後に、この「ドキドキ」シリーズは何回か開催する予定ですので、

クイズ好きの方はご一読よろしくお願いします。