諂諛

音楽好きによる音楽好きの為の雑記。

【テーマソング発売記念】ポルノグラフィティ超個人的名曲ランキング【全240曲プレイリスト付き】

 

皆さんごきげんよう

 

 

さて今回はタイトルにもある通り、日本が誇るスーパーロックバンド、ポルノグラフィティ特集です。ポルノ祭りを開催致しますじゃけぇ。

 

実はこのブログでも殆ど触れてこなかった私のポルノ愛なのですが、いきなり最上級にカロリーの高い記事を以って露見させる事となってしまいました。

 

彼らのキャリアを通しても恐らく最長のインターバルを挟んで、来る2021年に待望のニューシングル「テーマソング」をリリースする彼ら。

先日YouTubeの人気コンテンツ”THE FIRST TAKE”にも出演し、ここ最近また賑わい始めたポルノ信者たちの熱に乗っかろうと画策し、このような記事を作っている所存でございます。

 

実はもう私のブログでは3回目となる、この「全曲ランキング」企画。毎度の事ながらランキングを付けるのは私落第の一存のみ。ファン投票や忖度一切なしのランキングとなっています。

果たしてこんな主観オンリーのランキング企画に需要などあるのか分かりませんが、少しでもこのランキングに共感してくれるラバッパー達に出会いたい、そしてポルノグラフィティに興味を持ち始めた未来のラバッパーの足掛かりになれば、これ幸いです。

 

 

 

ポルノグラフィティ全曲ランキング概要】

 

対象楽曲:ポルノグラフィティのメジャー1stシングル「アポロ」から、2019年50thシングル「VS」収録楽曲までの全240曲。

*インディーズ期のCDのみに収録された楽曲、バージョン違い、短いインタールードなどの楽曲は除いています(Didgedilli等のように単体で成立しているインスト楽曲はランキングに含みました)。

*このランキングはあくまで個人的な主観で選定しているので、他の方からの意見によってランキングが変わる事はありませんのでご了承ください。

 

 

1位~50位

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51位~100位

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101位~150位f:id:Rakudai:20210917010858j:plain

151位~200位

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201位~240位

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さて、ここまで読んで下さった皆様、全部暗記してくれたでしょうか。

 

できれば1曲ずつ語っていきたいのですが、キリがないので割愛させていただきます。

 

 ・上位曲について

まず私の中の1位は、何の面白味もなくサウダージ。言わずと知れた最大ヒット曲。

ポルノグラフィティって、いわゆる隠れ名曲的ポジションの曲も沢山あるのですが、やっぱりメガヒットシングル曲の強さが半端じゃなくて、2位以降もしばらくヒットソングメドレー状態が続くという当たり前体操的な結果になってしまいました。

そんな中でも20位”Century Lovers”や23位まほろば○△”など、初期の隠れた名曲が上位50位以内に固まっているのも印象的でした。

初期のシングル表題曲やアルバム曲は、ak.hommaこと本間昭光氏が提供している事は周知の事実かと思いますが、正式メンバー外からの提供された曲であるにも関わらずファンから絶大な支持を得ている稀有な作家である事を再確認しました。

 

 

・下位曲について

200位以下辺りからは、アルバム曲とカップリング曲が半々ぐらいの割合で入っている印象。ポルノはカップリングに捨て曲を寄せ集めたりしないのも魅力だと思います。

205位”休日”や208位”何度も”に象徴されるような、シンプルで静かなバラード曲が比較的多めなのもポルノの特徴で、ランキング上位にあるような味付け濃いめな曲を聴き続けて疲れてきた時に、この辺りの曲が聴きたくなるんですね。これがポルノ沼の実態じゃけえ。

 

 

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さて、今回はポルノグラフィティ愛護週間という事でこのような記事を作成致しました。

まだまだ個人的に推したい名曲紹介、入門用の記事なんかも作りたいと考えているので、それまでしばしお待ちください。

 

 

何より、ニューシングル「テーマソング」絶対聴こうな!

 

 

 

 

*今回のランキングをApple Musicプレイリストで公開しています。下のリンクから閲覧できます。

 

 

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2021年上半期の良かったアルバムを紹介するよ【邦楽3選・洋楽3選】

 

皆様ごきげんよう。心もとない日々が続きますが楽しめていますでしょうか。

 

今回は相も変わらず音楽好きな筆者が、2021年上半期にリリースされた音楽の中で特に良かったアルバムを6枚紹介したいと思います。

色々紹介したい作品が多すぎたので、邦楽と洋楽それぞれ3枚ずつピックアップして残りはApple Musicの共有プレイリストで紹介させていただきます。

 

ちなみに2021年上半期最も美味しかった食べ物はセブンの揚げ鶏でした。

 

 

くるり / 天才の愛

 

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まずは、スタンダードな所から。

1996年結成、今年で結成25周年を迎えた重鎮バンド、くるりの13枚目のオリジナルアルバム。

昨年の後期から先行シングルを少しずつリリースしてのアルバムという流れだったので、何曲かは既知の状態で聴かせていただきました。

アルバム収録曲「益荒男さん」については、昨年このブログでレビューを書いてあるので、気になった方はこちらからどうぞ。

 

そしてこの「天才の愛」、言うまでもなく名盤。

くるりのアルバムと言えば、作品ごとにコンセプトが割とはっきりしていて、その度にレコーディング場所やメンバーを変えながら毎回違った作風のアルバムを出していますが、今作に関しては割とノーコンセプトでバラエティ豊かな曲が並んでいる印象。

過去作でいうと2009年のアルバム「魂のゆくえ」とかに近いのかな。

 

前作「ソングライン」とかに比べても肩の力が抜けた感じはあるが、細部の作り込みが凄くて「やっぱくるりはすげぇな~」と唸ってしまう抜群の安定感。

M-3「野球」なんて、ただ実在する野球選手を応援しているだけの歌詞なのに何故かちょっと感動しちゃうんだよな。俺ノムさんに特に何の思い入れも無い筈なのにな。

あと個人的に好きなのはM-9「渚」。後半にかけて変化球をバンバン投げてくるアルバムの流れから、この”いつものくるり”に戻ってくる感じも好き。そして何よりメロディが抒情的で切なくて最高。夏の野外フェスとかで聴きたい。涼しくなってきた夕暮れ時に聴いて「今年の夏も終わっちゃうなぁ」とか思いたい。

 

その他にもシンプルな良曲が沢山入っているので、ベストしか聴いてない方にもオススメのアルバムです。

 

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GRAPEVINE / 新しい果実

 

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1993年結成、今や重鎮の貫録を放つアラフィフバンドGRAPEVINE

前作「ALL THE LIGHT」から約2年半ぶりと、これまでで最長のインターバルを挟んでのリリースという事もあり、1曲ごとの密度が非常に濃く聴き応えのある10曲が並んでいます。

 

オープニングを飾るリード曲「ねずみ浄土」から、ネオソウル風のビートに日本語の言葉遊びをふんだんに散りばめた緊張感のあるグルーヴを響かせて、そこらの若手とは一味違うぞと言わんばかりの圧倒的なクオリティの楽曲をバンバン連打していきます。

 

ここ最近のGRAPEVINEのアルバムは、ジャムセッションから作った曲が数曲入っていたり、サポートメンバーを除いた3人だけで演奏したりと色々実験もしていた印象でしたが、今作はほとんどが田中さん(Vocal)と亀井さん(Drums)による楽曲で構成されていて、シンプルに良いメロディと良い歌詞を、良い演奏で堪能できるようなアルバム。

 

そして冒頭にも言った通り、本当に1曲辺りの密度が濃くて正に捨て曲無しといった感じのアルバムです。何というか、ファンとしては正直不安がよぎってしまったぐらい良いアルバムでした。これで終わっちゃうんじゃないかと思うぐらい、日本語ロックの一つの到達点とも言える領域に達してしまったような気がしました。

 

マジで聴いて損は無いです。これを機に、GRAPEVINEの沼にハマってみては。

 

 

New Fruit

New Fruit

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U-zhaan×環ROY×鎮座DOPENESS / たのしみ

 

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インドの民族楽器「タブラ」の数少ない日本人奏者U-zhaan(ユザーン)と、ヒップホップシーンで活躍する環ROY鎮座DOPENESSの三人によるコラボレーションユニット。

ユニット自体は結構前から知っていて、M-1「七曜日」のMVが公開されてからもう4年も経ってますが、満を持しまくってようやく1枚目のアルバムをリリース。おめでたい。

 

そんな本作、前もってMVを観ている方はもちろん、全く知らない方にも躊躇なくオススメできるアルバムです。

鳴っている楽器は、ほぼタブラという打楽器のみ。それと二人のラップだけというシンプル過ぎる構成にも関わらず、全く飽きる事なく最後まで楽しめる内容。

日常のどうでもいいことをゆるーいテンションでラップする二人と、タブラのアンニュイな響きが相まって、何とも言えない脱力感と癒しに身を委ねられます。

 

 

何より、このフォーマットは過去どのアーティストもやってない全く新しい形なので、実はとんでもなく凄い所業を成し遂げているアルバムだと思うんです。

ゆるーく遊んでいるだけに見えるが、それぞれ三人が三様に膨大なバックグラウンドを持つアーティストだという事を、忘れてはならない。

 

 

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Porter Robinson / Nurture

 

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ここから洋楽。

アメリカ出身のDJ/トラックメイカであるPorter Robinson。1stアルバム「Worlds」から約7年のブランクを経てリリースされた今作。

筆者は今作で彼の存在を知って、ほぼ前情報無しでこのアルバムを聴いたんですが、正直びっくりするぐらい良いアルバムでした。

 

そういう訳もあって、このアルバムは何の前情報も無く聴いてもまったく心配無いぐらい手放しにオススメできる良作なのですが、少しだけ解説と推しポイントを書かせていただきます。

 

前述したように、1stアルバムから7年という長めのブランクについて、本人によると前作リリース後は数年に渡って鬱状態にあって曲作りの進まない状況にあったそうで、本作はその鬱状態からの解放と穏やかな希望に満ちた精神状態を反映させた音作りになっています。

 

そして本作の最大の特徴としては、洋楽には珍しいくらいメロディに特化したアルバムとなっていて、歌メロはもちろんピアノのフレーズやコード進行も非常にキャッチーで耳馴染みの良いチョイスに終始している印象。

個人的にこういう切なくて美しいメロディが3度のメシよりも好きなので、そういった方に是非聴いてもらいたい。

 

もう一つ推しポイントとしては、美しいだけじゃなくてちょっと鬱な部分も見え隠れするのが凄く魅力的。

全編通して声に若干くぐもったようなエフェクトがかかっていたり、所々にホワイトノイズが入っていたりと、美しさの中にちょっとした陰影を意図的につけているのが、より切なさを際立たせるアクセントになっています。

 

ちなみに全編通して男性の声と女性の声が入っていますが、どちらもポーター本人の声みたいです。ボイチェンすげぇ。

 

 

Nurture

Nurture

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black midi / Cavalcade

 

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続いてはUKロックバンド、black midiの新譜。

前作から約2年ぶり2枚目のフルアルバムという事で、バンド自体は活動歴がまだ浅めの彼ら。しかしながら、UKインディー界隈ではかなり話題になっているようです。

 

私も前作が出た時から存在は知っていて気になっていたんですが、今作のリード曲「John L」のMVを見てぶっ飛びました。こういうの待ってたんだよ。

プログレ、マスロック、ジャズ等の要素を取り入れた複雑で奇想天外な展開力で、1曲1曲が信じられないぐらい緻密に練られているアルバム。近年こぞって取り沙汰される”オシャレ”な音楽とは一線を画す、物理攻撃特化型のバンド。

 

こんなの偉そうに言えた口じゃないですが、ここ最近のバンドの中ではずば抜けて演奏が上手いと思います。マジでメンバー全員普段山で修行してんじゃないかってぐらい上手いです。

 

前作「Schlagenheim」よりもインパクトの強いキャッチーな楽曲が多く収録されているので、比較的ポップなリスナーにも届きやすいと思います。

あとこのアルバム、よく中期キングクリムゾンと比較して語られている事も多いみたいですが、個人的には要素が合致しているだけで全く独自の音楽性を確立していると思います。

 

一部の音楽好きの間では早くも今年のベストアルバムに挙げている方も結構いるようで、多分色んな所で語られる作品になるんだろうなと思ってます。最高だなぁ。

 

 

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underscores / fishmonger

 

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最後は少々マニアックな洋楽をご紹介。

NY在住のプロデューサー/トラックメーカーunderscoresの1stアルバム。インディーで活動しているクリエイターチーム「six impala」の一員でもあり、インディー界隈では注目されているらしいです。

色々調べたけど日本では無名すぎて詳しい情報があまり得られなかったので、めちゃくちゃ気になった方は翻訳とかして調べてください。

 

肝心の内容はというと、一言で現し難い複雑な音楽。ヒップホップ、グリッチ、ハードコア、ノイズといった幅広いジャンルを、きれいに混ぜるのではなく敢えて粗挽きな状態で盛り込んだ、非常に斬新な音楽性。

だけど軸足はしっかりポップに置いてあって、奇抜なだけじゃなくちゃんと美味しい部分も味わえる所が凄く魅力的。

 

アルバムを通して聴くと、そんな”ジャンルごった煮”感みたいなものをより楽しめると思います。全体的にダウナー打ち込み中心の曲が占めている中、中盤の「Spoiled little brat」では急に木村カエラみたいな王道ギターロック調になったり、終盤はシンプルな弾き語り調の曲もあったりと、これぞインディー!と言わんばかりの自由な発想と創作意欲がそのまま形になった様な作品です。

 

あとジャケがめっちゃ良いよね。楽しいけどちょっと不安になる作品の内容と完璧にマッチしている。

 

 

fishmonger

fishmonger

  • underscores
  • インディ・ポップ
  • ¥1528

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最後に、2021年上半期の個人的ベストトラックをまとめたプレイリストを貼っておきます。

ブログで紹介した作品を中心に、邦楽洋楽それぞれ20曲ずつ厳選しました。ディグりたい方は是非こちらも聴いてみてください。

 

↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

土居泰地の「2021上半期ベストトラック」をApple Musicで

 

 

 

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【2020年】今年聴いた音楽を振り返る part.4 【10月~12月編】

 

おはようございます。2020年最後の更新になると思います。

 

少し長めですが、どうか最後までお付き合いください。

 

 

 

KID FRESINO / No Sun

 

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1993年生まれのヒップホップアーティストKID FRESINO。

2018年リリースの3rdアルバム「ai qing」は翌年のCDショップ大賞の優秀アルバムに選出されるなど各方面から高評価を得た。

こちらは来年リリース予定の新作アルバムからの先行シングル。

 

まぁ、とりあえずこの楽曲に参加している演奏陣を見て頂きたい。

 

無理。勝てません。

 

全部伝説のポケモンでパーティー組んでるようなもんですこんなの。

 

もうこのクレジットを見ただけで、次のアルバムが如何に気合いの入った作品なのか分かるほどの強力なメンツ。

ドラマーに関しては前作で参加していた石若駿さんとのタッグもかなりハマっていましたが、やはりレジェンド柏倉さんのドラムと合わさった時の気持ち良さは秀逸。

 

曲としても、やはり頭一つ抜けている完成度と言わざるを得ないでしょう。

前作「ai qing」で見せたポストロック的なアプローチもありながら、よりシンプルで洗練された演奏とリリックになっていて、壮大かつ熱量を感じる仕上がり。

TMGE 積まれたアンプが踏みつけるtatu」とか、意外と面白いフレーズが隠れているのも良きです。

 

単なるオシャレに落ち着かない、底知れぬ緊張感。堪りませんなぁ!

 

 

 

 

CAT ATE HOTDOGS / ヤドカリ

 

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皆さんお待たせしました。2020年期待の新人バンド枠です。

 

平均年齢21歳、大阪にて結成されたCAT ATE HOTDOGS。昨年アマチュアの音楽コンテスト「十代白書」にてグランプリを獲得し、密かに注目を集めているロックバンド。

 

私の記事に度々登場する音楽好きの友人から教えて貰ったこのバンド。いつまで経ってもこういうセンスの塊みたいなバンドが全員年下になってきたのが慣れない。新鮮に落ち込みます。

 

ド頭からテンションコードを多用したカッティングギターが印象的で、全体のアンサンブルもかなり複雑。2本のギターの絡みが非常に凝っていて、パズルのように構築されたフレーズがぴったり噛み合う快感が堪らなくエロいです。

歌詞も非常に練られていて、固めな文体なんだけど難しすぎない絶妙なバランスで成り立っています。

 

他の曲も聴いてみて感じたのは、全体的に”音モノ”に近い作り方をしているという点が新しいと思いました。サビのメロディに重点を置くことの多い”歌モノ”的なアプローチではなく、ギターのリフだったり演奏のアンサンブルを中心に展開している曲が多いので、そこを感じながら聴くとよりこのバンドの良さが分かるのでは。

 

若手バンドの中では割と群を抜いたテクニカル集団です。絶妙に華が無いのも◎。

 

 

 

松任谷由実 / 知らないどうし

 

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説明不要の大ベテラン歌手、ユーミンこと松任谷由実師匠。

先ほど紹介したCAT ATE HOTDOGSとの年の差はなんと45歳。どっちもすげぇ。

 

ドラマ「恋する母たち」の主題歌として書き下ろされたこの楽曲は、久々のラテン調のサウンドが特徴的なナンバー。

1993年のアルバム「U-miz」を想起させる、じっとりとした大人の恋愛を落とし込んだ楽曲。この手の楽曲は正にユーミンお得意と言わんばかりの””が炸裂しまくっています。

 

ここ数年のユーミンは特に声が良くて、48年間ずっと最前線で活動してきたミュージシャンしか出すことのできない、使い古された味が染み出ていると思います。

12月にリリースされた4年ぶりのアルバム「深海の街」も非常に素晴らしく、2020年という混沌とした1年を、ファンタジックな世界観を交えて音楽に昇華している最高のポップアルバムでした。

 

 

 

 

 

青葉市子 / Porcelain

 

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1990年生まれ、京都出身のシンガーソングライター青葉市子。

 

主にアコギ弾き語りの楽曲を中心に、2013年には大手のVictor Musicからデビューしている隠れた実力者。

 

青葉さんの活動は割と初期から追っていて、今年は久しぶりの活動だったので期待していたのですが、正直その期待を超える素晴らしい作品でした。

 

ワルツ調のリズムとジャズ系の複雑なコード進行に乗せて、深い森を彷徨っているような没入感神秘的な空気感が漂っています。メッセージ性のある歌ではなく、一貫して風景描写に徹した楽曲。

いわゆるJ-POPのようなメロディやコード進行は一切使われておらず、異世界に居るようなトリップ感がありながらも、どこか日本的で懐かしさもある不思議な感覚に陥りました。

 

ジブリ映画のサウンドトラックのような、日本の原風景を想起させる音楽が好きな人にはドンピシャだと思います。ジブリみたいな邦楽って超新しくないですか。

 

11月にリリースされたアルバム「アダンの風」は、国内のみならず海外からも絶大な評価を得た大名盤でした。

更に深化した青葉市子さん、是非トリップしてみては。

 

 

 

くるり / 益荒男さん

 

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1996年結成、今年デビュー22周年を迎えたベテランバンドくるり

 

今年は未発表曲を集めたアルバム「thaw」のリリースに始まり、ライブツアーの中止を補う形で沢山の楽曲をリリースしてくれました。本当にありがとうございました。

5月には大阪でGRAPEVINEとの対バンライブが予定されていて、私もチケットを取っていたのに中止になってしまいました。この事は一生根に持つのでどうかお付き合いください。

 

そんな中、約2年ぶりの新曲となったこの益荒男さん。久々にキレッキレくるりが帰ってきたぞ。岸田繁が怒ってる時は大概世情が荒れている時です。

 

スカ昭和歌謡ブレンドしたような軽快なリズムに乗せて、旧仮名遣いを用いた古めかしい言葉でとにかくディスってます。だいぶ危ない事も言っている気がするんですが大丈夫なんでしょうか。

アニメーションもポップで可愛らしく仕上げていて、出来る限り隠そうとしていますが隠しきれてないぐらいヤバめな歌詞です。岸田さん、2020年は思う事もいっぱいあったんでしょう。

 

どうやら明治時代に流行した”オッペケペー”という歌が元ネタらしく、歌詞も一部そのまま引用したりされているようで、皮肉だけでなく教養も備えているのが流石と言ったところ。

単なる風刺にとどまらず、ポップスとしてちゃんと純度の高いクオリティに仕上げられていてとても好きな楽曲でした。サビが普通に美メロなのも最高。

 

 

 

坂本慎太郎 / ツバメの季節に


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いよいよ最後。ここまで読んで下さった皆様、本当にありがとうございます。

 

最後は日本の音楽シーンに数々の名場面を残してきた偉人、坂本慎太郎さんでございます。

1998年ロックバンド”ゆらゆら帝国”でデビュー。2010年にバンド解散後ソロ活動を開始し、現在までに3枚のアルバムをリリース。

ゆらゆら帝国の時代から、メディアへの出演は一切ないものの音楽雑誌などでは絶大な評価を得続けており、邦楽を語る上では欠かせない存在と言える方です。

 

今年は2曲入りのEPを2か月連続でリリースし、その4曲のうちの1曲がこの”ツバメの季節に”という楽曲。

コロナ禍以降に製作されたというこの曲は、歌詞の内容もコロナ以降の心境を匂わせる内容になっています。

 

個人的に坂本慎太郎ソロ以降の楽曲には、ゆら帝の頃とは違う種類のヤバさがあると思っていて、ゆら帝の頃が”ナイフを持って暴れている”類のヤバさだとしたら、坂本慎太郎ソロは”その辺の池で釣りをしている無害そうなおじさんが実は人を2,3人殺したことがある”みたいなヤバさ。

何というか、表面的でないにしろ底知れない狂気が渦巻いている曲が大半なんですね。

 

この”ツバメの季節に”も、一見シンプルに感じますが実は面白い音作りをしています。

途中から入るサックスの音がかなり効果的で、ミニマルな他の音色と比べてちょっと浮いているような聴こえ方をしているんですね。このちょっとした違和感が、俗世から切り離された孤独感のようなものを上手く表現しているように聴こえました。

 

歌詞の内容も、正にコロナ禍の心境を歌っているように見えて、実は昔から歌っているようなテーマとあまり変わっていないんですよね。

音楽や普段の生活の中で感じる普通の人たちとの”ズレ”を、憤るわけでも嘆くわけでもなく「参ったな~」みたいなテンションでしっぽり歌っているような人。

その”ズレ”がこのコロナ禍でより表面的になっただけで、坂本さんの中では常日頃抱えていたものではないかと勝手に思っています。

 

2020年という長い映画のエンドロールの様な、潔さと呆気なさに浸ってみてはいかがでしょうか。

 

 

 

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曲の紹介は以上。再三になりますが最後まで読んでいただき本当にありがとうございました。

完全な趣味でやってますので、完全な趣味で読んでくれている方が居るだけで勝手に励みになってます。

 

 

今年は色々と忘れたい事、忘れられない事があった1年でした。

どんなに偉い人も、好きな人も嫌いな人も、自分も、それなりに困ったし落ち込んだと思います。

 

僕は元々人に会うのも億劫な性分のくせに、人に会うのを控えましょうと言われるとどうも寂しくなったりして、結局1人では生きていけない事も痛感しました。

 

あと、正義のヒーローなんて居ないんだなと思いました。当たり前なんだけど、分からない事は誰も分からないし、音楽じゃ何の解決にもならない事も明け透けになっちゃったような。魔法が解けた、とでも言いますか。

 

四半世紀前のような、神格化された絶対的なエンタメの象徴としての”音楽”ってものは、もう見る影も無くなったんだと思います。

 

 

ただ僕は、きっと地球の半分が無くなっても音楽を聴いてるだろうなと思うし、どれだけ音楽が価値の無いものになろうが、僕はまんまと音楽に救われ続けて生きていくんだと思います。

馬鹿みたいだと自負しているが、こういう生き方しかできない奴も居るんだよ。

 

この先どうなるかは分からないけど、少なくとも現時点で世に存在する音楽は未来永劫何があろうと無くなる事はないので、そのうちの幾つかはブログなり何なりで紹介していく形になると思います。

勿論自分でも曲を作って聴かせていくつもりです。結局何も変わりません。ざまぁみやがれ。

 

長くなりましたが、最後に今回紹介した全25曲をまとめたプレイリストを作りましたので、リンクを貼っておきます。

ブログでは紹介していませんが洋楽のベストトラックも全25曲同梱しております。興味がある人は聴いてみてね。

 

↓↓↓Apple Musicプレイリストはこちら↓↓↓

泰地 土居の「2020年Best Tracks」をApple Musicで

 

 

 

それでは皆さん、良いお年を。ありがとうございました。

 

 

 

【2020年】今年聴いた音楽を振り返る part.3 【7月~9月編】

 

ごきげんよう。下半期編、かっとばして行きましょう。

 

 

crystal-z / Sai no Kawara

 

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正体不明、6月中旬突如YouTubeにアップされたこの曲、ご存知でしょうか。

 

ご存じない方は、先にYouTubeの方で動画を最後まで見てから記事に戻ってくださると非常に楽しめるかと思います。少々ネタバレというか、オチがあります。

 

平たく言うと、作者の実体験を基に作られたこの曲。2020年ブームになった”ローファイヒップホップ”(1~3月編でも紹介しています)調のトラックに乗せて、作者の過去が淡々と綴られていく楽曲です。

 

至って平坦に進行する楽曲とは裏腹に、語られるストーリーはかなりシリアスで苦悩に満ちた内容。最後のバースではハッピーエンドで締めくくられた…かと思いきや、最後のタネ明かしで全ての真相が分かるという、かなり衝撃的な内容。

 

ほぼプロモーションもゼロ、前置き無しでアップロードされたにも関わらず動画の再生回数は100万回を超え、SKI-HIなど著名なアーティストにも称賛されたというストーリーも含めて、2020年の音楽を語る上でかなり重要な1曲だったと思います。

 

日常で感じた些細な悔しさ、不甲斐なさとかを歌にするのは、音楽の形として真っ当な姿だと思うし、それに共感する事で支持を増やす事も音楽の正しい形の一つだと思うんですけど、この曲はその感情の重みがレベチ。刺さるものの痛みがレベチ。国体級。

 

”オレ、社会に不満持ってます”的なスタンスの若手バンドマンが滑稽に見えるくらい、もう背負ってる痛みが違うから、それだけ伝わる物も大きいですよね。当たり前だけど。

ただ音の印象としては極めて耽美な印象で、鼻息荒く怒りを剥き出しにするでもなく淡々とした語り口なのが知的でカッコいい。あくまで最後のタネ明かしで全てを理解させるという器用な立ち回り。これは真似できない。

 

 

個人的に2020年最重要ソングと言っていい名作だと思います。これぞ音楽。

 

 

 

ビッケブランカ / ミラージュ

 

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2014年「ツベルクリン」でインディーズデビュー。2016年にメジャー移籍後、着実に知名度を上げ続けているピアノ系シンガーソングライター、ビッケブランカこと山池純矢さんのドラマタイアップ楽曲。

 

正直ドラマの方はまったく見ておらず、ドラマ自体がどれだけ流行ったのかピンときてないのですが、このMVの再生回数はなんと1000万にも届く勢いで爆伸びしている様子。純くんすごいね。

 

まず楽曲だけ最初に聴いた時、良い曲ではあるもののちょっとした違和感を感じたんですね。なんか、何処にも着地しない感じといいますか、いつものビッケブランカとは違うメロディの構成だなと思って、印象に残っていました。

 

その後MVと合わせて見た時に、「これは確信犯だな」と。おそらくこの”違和感”がこの曲の肝だろうなと思って聴きなおしていくと、すごく腑に落ちてこの曲が好きになりました。

 

この曲に関するインタビューを読むと、

例えばサビの反復フレーズ。「うわ、もうこれ以上繰り返さないで」って思われるギリギリまでリフレインするところとか。人が不快に思うスレスレのことを「へへ、楽しい!」と思ってやっちゃう感覚(笑)。「もっとみんなが心地よく、幸せに聴ける曲を作ろうよ」みたいな次元の先に、自分の満足点がある気がします。

 

やっぱね。変態でした。ありがとうございました。

 

 

昨今の日本のメインストリームに居るミュージシャンで、ここまで作曲というフィールド上において挑戦的な姿勢をもって臨んでいる人は居ないのでは。

思い返せば彼は前からそういう気質はあって。影響を受けた楽曲のテイストをあえてパクリスレスレのラインで分かりやすく取り込んでみたりとか。それで結局批判されてYouTubeのコメント欄閉鎖したりとか。

 

作曲に対してかなりマゾ気質でもあると思うんですけど、良い物を作るという事だけを考えずにあくまで創作をエンターテインメントとして楽しんでいると思ってて、それが彼の良さなんだと思いました。

 

 

色んな観点で見るほど面白い曲だし、これをしっかりヒットさせてくる純くん凄すぎる。やっぱスターだよこの人。

 

 

 

イヤホンズ / 記憶

 

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イヤホンズは、高野麻里佳高橋李依長久友紀による日本の声優ユニット

元は漫画『それが声優!』の作中でメインキャラクター3人によって結成された架空の声優ユニットだったが、同作のアニメ化に際してメンバーの声を担当することになった声優3人による現実のユニットが結成された。

 

 

ごめんなさい、このグループに関してはまったく詳しくなかったので、ウィキから引用させていただきました。声優ユニットを紹介するのは僕のブログでは初めてです。

 

何故この楽曲を知ったかというと、作曲者が三浦康嗣(□□□)という個人的にとても好きな音楽家の方で、MVも上がっていたので聴きました。

 

 

いわゆる”フィールドレコーディング”という手法を用いて作られている楽曲で、信号機のナビ音、踏切の音などの街中で鳴っている環境音を録音してサンプリングして作られています。

 

この手法は、三浦さんが所属している□□□(クチロロ)という音楽グループの作品でも多用されていて、中でも2009年リリースの「everyday is a symphony」というアルバムでは、全曲フィールドレコーディングを中心に構築されているという、邦楽の隠れた大名盤も残しています。

 

そしてこの楽曲、久々のフィールドレコーディング作品という事もあり、クオリティが半端じゃないです。まず曲が7分ぐらいある。すごい気合い。

 

主人公の女の子(?)の記憶を3つの時系列で紐解いていくストーリー仕立てになっていて、ポエトリー中心で淡々と進行していく構成。

サビのメロディラインが、コンビニの入店音や信号機の音を組み合わせて作られていたり、3つの時系列で違うメロディのサビが入って、ラストで3つのサビが同時に鳴って1つの大サビが完成する展開は鳥肌モノ。

 

三浦さんの凄さを一言で表すなら、”実験性と抒情性の共存”だと思っていて、既存の音楽のスタイルに捉われない型破りな手法を用いながらも、ちゃんとメロディやコード進行も作り込まれていて、面白いのに切ない、技術と味どちらもバランス良く盛り込む類稀なるセンスを持っていると思います。

 

この曲にグッときた方、是非クチロロの方も聴いてほしいですね。新しい発見があると思います。

 

 

 

 

METAFIVE / 環境と心理

 

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YMOのドラマー高橋幸宏が、2014年に小山田圭吾砂原良徳TOWA TEIゴンドウトモヒコLEO今井と共に立ち上げた音楽プロジェクト、METAFIVE。

 

このメンツが如何に凄いかはもはや説明不要かと思いますが、ほぼ全員個人名義で作品をリリースしている列記としたミュージシャンです。

 

2016年のアルバム「METAFIVE」「METAHALF」の2枚からおよそ4年ぶりの新曲となった今作。作曲は小山田圭吾とのことですが、それこそ最近のCORNELIUSの作品の、憂いを帯びた雰囲気を受け継いだような比較的ポップなサウンドになっています。

 

 

はっきりと明言されている訳でも、本人からの声明があったわけでも無いのに、確実に伝わってくるメッセージがあって、ある種の問題提議のような投げかけをしているような楽曲だと思いました。

それが歌詞にはっきりメッセージ性がある訳ではなく、むしろシンプルな情景描写であるにも関わらず、聴いた人の共感覚で伝わっているのが凄いところ。

 

 

 

これ、MVのアニメーションの画質が異様にツルツルしてるんですよね。それがリアリティを増幅させている気がしていて、群衆の中の何人かがチラッと振り返る所とか、リアルすぎてトラウマを掘り起こされるような感覚に陥りそうになる。

 

オチも含めて皮肉のこもった秀逸なMVだと思います。4年ぶりのMETAFIVEも、安定して最高水準の作品を作ってくれてます。要チェケメン。

 

 

 

 

G-FREAK FACTORY / ヴィンテージ

 

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群馬県出身、今年結成23年目の大ベテランバンド、G-FREAK FACTORY。ご存知でしょうか。

知名度こそ無いもののバンドマンを中心に熱烈な支持を得ており、2017年から「山人音楽祭」という主催フェスを地元・群馬で開催するなど精力的な活動を続けています。

 

ここまで書いてきて気付いたんですが、どうやら僕は語り調の曲が好きなようです。ちょっと偏った選曲になってしまいましたがご容赦ください。

 

ただそれを差し引いても語らせてほしいぐらい良い曲なんです。この泥臭さ、23年やってきた重みが遺憾なく発揮されていて素晴らしい作品だと思います。

売れる売れないに関わらず、流行に迎合することなく武骨なロックを貫き続けてきた彼らだからこそ書ける歌詞、鳴らせる音を爆発的なエネルギーと共に放射しているかのような、物凄い説得力を持った曲だと思います。

 

 

こういう”ザ・バンドマン”な曲って、歌詞が直接的で表現も荒っぽくなったりする事が多いんですが、至って文学的で緻密に作られているのが個人的に物凄くツボでした。

感情剥き出しの臭みを残しつつ、作品としての純度も高く、ロックバンドの一つの到達点と言ってもいい程の完成度だと思います。

 

アルバム全体の完成度も素晴らしく、間違いなくキャリア最高傑作と断言できる名盤でした。これを聴いて涙するか、ドブに捨てるか、見極める目を持っているか。

 

 

 

RYUTist / ALIVE

 

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最後はアイドルソングから1曲。

 

RYUTistは新潟のローカルアイドル。活動開始は2011年と意外と長くてビックリ。

新潟のローカルアイドルといえばNegiccoという有名なグループがいますが、実は新潟ローカルアイドルが、音楽好きの間でここ数年密かに評価されているのをご存知でしょうか。

 

Negicco、そしてこのRYUTistの楽曲に共通しているのが、楽曲提供をしている作家陣が異常に豪華なんです。知らない方は調べてみよう。

 

この「ALIVE」の作曲者は、蓮沼執太さんというアーティスト。ソロとしての作品を主にリリースしていて、2014年には蓮沼執太フィルという名義で、弦楽や合唱を取り入れた音楽性を確立したアルバムを発表し、音楽ファンから絶大な支持を得ている方。

この楽曲のクレジットがYouTubeの概要欄に載っているんですが、演奏メンバーが正にその蓮沼執太フィルのメンバー。あれ、ゴンドウトモヒコさん、先程もお会いしましたね。

 

もう楽曲を聴かずとも名作臭がぷんぷん漂ってますが、肝心の内容はというと、そのハードルをいとも簡単に飛び越えてしまいました。ぶったまげた。

 

展開、コーラスワーク、音色、どれをとっても王道アイドルソングのそれとはかけ離れた、かなり音楽指向な世界観。スティールパンがこんなに心地良く響いてくるアイドルソング初めて聴いたよ。

 

中でも展開の面白さはアイドルソングに限らず今年トップクラスの出来だと思っていて、静かな導入から徐々にギアを上げていって、中盤の語りから展開が加速していく流れで一気に引き込まれます。ラスサビの開放感はもう語るまでもなく、ただ音の気持ちよさに体を預けるだけの時間。お疲れ様です。

 

メロディも素晴らしく、アイドルというフィルターを通すことによって、可憐な中にあどけなさだったり儚さみたいなものが加わって、極めてエモーショナルに響いている気がします。

 

この楽曲をアイドルに歌わせなければいけなかった理由がとても明確で、アイドルソングの側面からも、芸術としての音楽という側面からも文句のつけようがない、真っ当な名曲が生まれた瞬間だと感じました。

 

 

このMVを見ると、物凄く地元に帰りたくなるんですよね。ノスタルジー最強説。

 

 

******

 

 

いかがでしたでしょうか。

 

今回紹介した6曲4曲が語りテイストを含む曲で、自分でも驚きました。なんせ自分の曲にも語りを入れた事があるもんで。許してちょんまげ。

 

いよいよ次回でラストとなります。激動の2020年、あと少しお付き合いください。

 

 

 

 

【2020年】今年聴いた音楽を振り返る part.2 【4月~6月編】

 

 

2020年の音楽振り返り2週目です。

 

今年は去年に比べてマニアックな曲が多めですが、決して逆張りをしてる訳ではなくて単純に今年ヒットした曲が少なかっただけです。

 

香水?あれは去年の曲だよ。

 

藤井風 / 優しさ

 

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今日本で一番陰毛が濃い事で有名なミュージシャン、藤井風。

 

昨年の振り返り記事でも取り上げましたが、思った通りむしろそれ以上の大躍進を遂げてくれました。ありがとう。

5月に満を持してリリースしたフルアルバムから3曲目の先行配信となったこの曲。彼の特色の一つであった岡山訛りは今回はお休みして、シンプルな言葉遣いで洗練されたポップソングに仕上げた印象。

 

ブラックミュージックに岡山訛りという強力過ぎる個性を見せつけた上に、普通に良い曲も作れちゃうぜ的な憎たらしさをひしひしと感じますね。いやらしか。

贔屓目抜きにしても、20代前半のデビュー間もない新人がここまでハイレベルな楽曲を作っちゃう時代になっちまったんだなと。

 

アルバムとしての完成度も素晴らしく、個人的には今年のベストアルバムと言えるくらい良かったです。

ラストの”帰ろう”という曲が特に好きで、普遍的なメロディの中に、風くんの死生観とかパーソナルな部分が垣間見える温かいナンバーでした。年下のくせに泣かせてくるんじゃないよ。

 

 

 

millennium parade / Fly with me


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こちらも話題作だったのでご存知の方も多いのでは。

 

ミレニアムパレードといえばKing Gnuの常田大希を中心とする超本格派の音楽プロジェクトで、この曲はアニメ「攻殻機動隊 SAC_2045」の主題歌として起用されました。

 

King Gnuがいかに親切なバンドかを思い知らされる程の、難解さと音楽偏差値の高さをこれでもかと見せつけてきますね。一聴して”カッコいい!”とか、”良い曲!”というよりは、”すげぇ~…”みたいな。呆気にとられちゃうんですよね。アホだから。

 

ちなみにこの楽曲のライブ映像が公式で上がっているのですが、個人的にはMVよりもこっちを見た方が良いと思います。

演奏が超絶上手いのは勿論のこと、パフォーマンスが野性的でめちゃくちゃカッコいい。14人ぐらいの大所帯で演奏しているとは思えない一体感と、パワフルな熱量を体感できます。

 

MVは極めて人工的というか、あまりにも作り込まれ過ぎているので、ちょっと難解だなと思った方には、ライブ映像を見て頂きたいです。登場人物が全員遊戯王みたいな髪型してて面白いです。

 

 

 

世武裕子 / Capitalism

 

Capitalism

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2008年アルバム「おうちはどこ?」でシンガーソングライターとしてデビュー、2011年頃から映画音楽、CMソングなどの制作を中心に活動している世武裕子さん。

 

1年ほど前に音楽好きの友達に教えてもらい以後よく聴いていたのですが、久々の個人名義での楽曲リリースという事でかなり期待して聴きました。

 

ぶっ飛びましたね。これが貫録というものか。

 

「資本主義」という意味のタイトル通り、日本の資本主義精神に対する批判的メッセージを込めた楽曲とのことですが、内容はまさかのインスト曲。

歌詞こそ無いけれど、音による感情の表し方が極めて音楽的で、クラシック音楽に近い表現方法だと思います。ヴェルディの”怒りの日”とかにも通ずる物があるような。

 

後から知った情報によると、ギターに田渕ひさ子(元NUMBER GIRLtoddle等)、ドラムに江島啓一(サカナクション)という絶品すぎる演奏陣によって録音されているようです。江島さん、こんなにアグレッシブなプレイもできるのか。

 

混沌とした2020年を象徴するような1曲だったと思います。ジャケットも皮肉たっぷりで良いですねぇ。

 

 

パスピエ / 真昼の夜

 

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最近聴いてますか、パスピエ。えらいことになってます。

 

2011年「わたし開花したわ」でインディーズデビュー以降、”アート”と”ポップス”が融合した世界観が話題になり2015年にはメジャーデビューから約2年で日本武道館でのワンマンライブも成功させた超実力派バンド。

 

去年辺りから”アート”の側面がより強くなってきた印象で、この「真昼の夜」もかなり挑戦的な内容。

 

もうどこから転調したかよく分からなくなってくる、めまぐるしいテンポチェンジと聴いたことのないコード進行の応酬で、一秒先も予測できないスリリングな展開。よくこんな曲作れるよなぁ。

かなりトリッキーな内容なので、一見すれば滅茶苦茶に作っているようにも聴こえますが、成田ハネダさんのアカデミックな音楽知識とポップセンスもちゃんと残っていて、奇天烈なんだけどどこか哀愁を帯びているような不思議な曲調になっています。

 

最近のパスピエ、本当に素晴らしいのに音楽オタク界隈でも全然騒がれていないのが凄く残念。今こそ聴かれるべきバンドだと思っています。

 

 

 

小山田壮平 / OH MY GOD

 

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2014年に解散したロックバンド、andymoriのギターボーカル小山田壮平

 

解散後は別バンドALと並行してソロ活動を続けており、新曲をYouTubeにアップしたりとコンスタントに活動していましたが、意外にも正式な音源リリースは今年が初めてだそうで。

 

この曲は映画「#ハンド全力」の主題歌で、青春映画らしいオープンワールドな世界観が特徴的。

 

小山田ソロ以降の楽曲はわりと内省的で暗めの曲が多かったので、この曲は凄く新鮮で好きですね。数歳若返ったようなキラキラ感を纏っている気がしました。

録音も、恐らくめちゃくちゃコンディション良かったんだろうなぁと思える出来の良さでした。もうクスリなんかやるなよ。

 

今年の10月にリリースしたフルアルバムの内容も非常に素晴らしかった。andymoriとALのどちらにも属してない音楽性で、全体通して開放感に満ちている良い作品でした。

 

 

Johnnivan / Bushwick

 

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今年の新人バンド枠、お待たせしました。

 

2018年結成、日本・アメリカ・韓国のメンバーからなる多国籍バンドで、2018年にJohnathan Sullivan(Vo.)とShogo Takatsu(Key.)を中心に結成された。

 

ボーカルがネイティブというアドバンテージも兼ね備えながら、周りを固める演奏陣も1流揃いで、既に結成5年目ぐらいの貫録があります。キーボードの方、成田ハネダ感ありますね。

 

USインディーとダンスミュージックが融合したような、気持ち悪いけど踊れる不思議なサウンドが特徴的。Radioheadっぽい不穏なコード感とダンスビートが融合した感じの、今まで聴いたことのない音楽性を確立していて凄くツボでした。

 

この楽曲が収録されている1stフルアルバム「Students」は、今年のアルバムの中でもかなり好きでした。”Calm Down”という曲が特に気に入っていて、YMOチックなシンセサウンドとUSインディーの質感が合わさって、踊れるサイケとも言える新しいジャンルを開拓できていると思います。マジで凄いです。

 

正直デビューアルバムでこのクオリティにしては、注目度が低すぎて歯痒いところ。コロナ禍真っ只中にリリースを控えていた事もあり、アルバムのリリースも2か月ほど延期になったようです。運が悪いという一言で片付いてほしくない良いバンドなので、紹介させて頂きました。要チェッケです。

 

 

 

吉田一郎不可触世界 / えぴせし

 

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ラスト7曲目、本当にここまで見てくださってありがとうございます。

 

2007年、ZAZEN BOYSにベーシストとして加入し一躍有名になった変態、吉田一郎氏が2015年に立ち上げたソロプロジェクト「吉田一郎不可触世界(よしだいちろうあんたっちゃぶるわーるど)」。

5年ぶりの新作「えぴせし」から表題曲を紹介したいと思います。

 

タイトルの”えぴせし”は、ドイツ語の"EPITHESIS"(エピテーゼ)から来ているようで、エピテーゼとは医療用具として体に取り付けられるもの(義足や義手もエピテーゼの一種)を挿す言葉だそうです。ただし楽曲の内容とはそれほど関係ないようです。

 

公式サイトに載っていたライナーノーツによると、この曲のサビのメロディは2000年頃に組んでいた前身バンドの楽曲からの引用だそうで、レコーディングもされる予定だったが歌詞が思うようにハマらずボツにしたそう。

恐らくこの前身バンドというのは”12939db"というバンドで、こちらは4年ほど前に突如YouTubeに当時のデモ音源が何者かによりアップされ、コアな音楽好きの間で話題になった伝説のバンドなのですが、このデモの中から数曲が既に”吉田一郎不可触世界”の楽曲に引用されています。

 

前置きが長くなりましたが、この引用されたサビのメロディが超良いんです。ド直球の泣きのメロディ。

ZAZEN BOYS仏頂面して超絶技巧ベースを弾いていた姿からは想像もつかない情緒豊かなメロディセンス。

 

吉田一郎不可触世界の楽曲には、ある種”酢豚の中のパイナップル”的な良さがあると思っていて、ディープでドロドロしたサウンドの中で、切ないキラキラしたメロディが鳴る事によってより際立ってエモーショナルに響くんだと思います。

 

この感覚は、もう吉田一郎不可触世界でしか味わえないです。聴けば分かる。

 



********

 

 

上半期編はこれにて終了。4月~6月はまだまだ紹介したい名曲たくさんありました。

宇多田ヒカルの「Time」とか、トクマルシューゴ「先世の振り子」などアンセムがたくさん生まれたクールでしたが、厳選して紹介させて頂きました。

 

 

来週から下半期編もお楽しみに。ありがとうございました。

 



 

【2020年】今年聴いた音楽を振り返る part.1 【1月~3月編】

 

 

皆さんごきげんよう、今年もこの試練が帰ってきました。

 

激動の2020年、音楽が無ければ間違いなく孤独死していたであろう落第坊や。そんな僕が今年聴いた音楽の中で特に印象的だった曲をただ紹介していく記事になります。

 

 

なお去年と同様、今年も邦楽のみの紹介とさせていただきます。今年は自粛期間中に洋楽も聴き込んで印象的な楽曲を沢山見つけられたので、何らかの形で紹介したいと思っています。去年の記事はこちらから。

 

 

それでは、始めますよ。

 

 

BREIMEN / IWBYL

 

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2015年に母体となるバンド「無礼メン」を結成、その後メンバーチェンジと改名を経て"BREIMEN"としてリリースされたファーストアルバム「TITY」からのリード曲。

 

このMV、確か年明け間もなく公開されていたのですが、何故か1度削除されて7月に再アップロードされたんですね。よって再生数が3万程度と少なめですが、再アップ前は確か40万ぐらいいってたような。結構話題になった楽曲なので知っている方もいるのでは。

 

恐らく8割以上の方はサムネイルのドヤ顔カメラ目線GUYSが目を引くかと思いますが、この壁さえ乗り越えれば間違いなく好きになるはず。再アップロード後もサムネを変えなかったという事は多分そういう事です。知らんけど。

 

ここ数年、こういうお洒落バンドサウンドが市民権を獲得してきて、一見そのムーブメントに乗っかっているだけのバンドに見えなくもないですが、やはり2015年からファンクをやっているだけあって、一味違うグルーヴとメロディセンスを感じました。

硬派なジャズ系の和音から歌メロは切なく愛嬌のあるメロディで、ジャンルレスに展開していく感じがめちゃくちゃ気持ちいい!

 

年明け早々、これは豊作の年になるぞと思いましたよ。数か月後にやってくる大飢饉など知る由も無く、、、

 

 

Anly / We'll Never Die

 

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1997年生まれ、6歳からギターを始め2015年にはメジャーデビューを果たしたスーパー天才シンガーソングライター、Anly。ご存知でしょうか。マジですげぇっすこの方。

 

彼女の武器といえば、ループステーションを用いた楽曲作りとライブなのですが、この楽曲にもその特性が存分に活躍しています。

 

実はこの曲、コード進行がCメロを除いて全編同じ4つのコードをループしているんですね。

Aメロ、Bメロ、サビとメロディは全く違うのですが、裏で鳴っているコードはずっとC#m / A / B / E の繰り返しで成り立っています。

同じコード進行がずっとループしているとどうしても単調な曲になりがちなのですが、この展開力と美メロを詰め込むことができるのは本当に凄いです。只者じゃないぞ。

 

作曲のセンスもさることながら、歌詞の内容も相まってか何か重大なメッセージ性を纏っている曲だと思うんですね。昨年亡くなったAviciiへのアンサーソングではないかという推測もあるようですが、メロディのどこか懐かしい感じもAviciiを彷彿とさせます。

 

いきなり長々と語り過ぎましたが、個人的には本当に100点満点の楽曲でした。今年1番記事にしたかった。

歌ってる時の表情も好きなんですよね。顔で歌わない感じがクールで良いですね。要チェケやで。

 

 

 

CHAI / NO MORE CAKE

 

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2012年結成、”ニュー・エキサイト・オンナバンド (NEO)"をコンセプトに活動するガールズバンド、CHAI

 

もはや説明不要ぐらいの知名度と実力を兼ね備えている彼女たちですが、海外でも話題になった楽曲「N.E.O」や、昨年リリースしたアルバム「PUNK」から更にドープな方向に振り切った会心の1曲。

これ、個人的にはめちゃくちゃ好きでした。今年の邦楽の中でもトップクラスにハマりました。

 

全体を通してすごく尖ってて、ある種の怒りのようなメッセージを感じる曲だと思います。音の質感もめちゃくちゃ硬質で、ぶっとい低音が終始ブイブイ鳴っていて気持ちいい。

序盤でカナちゃんが笑いながら歌う所とか、めちゃくちゃ強者感ありますよね。何がNEOカワイイだよ。全力でカッコいいよ。

 

昨年頃から海外での評価が高まってきて、海外での活動も増えてきている彼女たちですが、個人的にはもう海外でのプロモーションがメインで活動してもいいと思います。自由奔放なスタイルを貫いて、それが真っ当に評価されるフィールドで活躍するのがベストですよね。いやぁ素晴らしい。

 

 

 

さとうもか × NF Zessho / empty dream

 

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1994年生まれ岡山出身の女性SSWさとうもかさんと、1993年生まれ福岡出身のラッパー/トラックメイカーNF zesshoのコラボ楽曲。

 

両名とも既に音楽好きの中では絶大な評価を得ている超実力派で、音楽プロデューサーの蔦屋好位置さんはこの楽曲を2020年上半期のフェイバリットに挙げていました。

 

いわゆる”ローファイヒップホップ”という、今年密かにブームを起こしたヒップホップの派生ジャンルに分類されるサウンドかと思いますが、その中でも頭一つ抜けている完成度なんじゃないかと勝手に思ってます。


サンプリングビートの微妙なヨレ感とか、ボーカルの音質のアナログ感とか、ちょっとした隠し味がとても良い方向に作用していると思います。


星野源PUNPEEが昨年コラボしていた「さらしもの」という楽曲も、同じように”ヨレ感”を堪能できる名曲だった気がしますが、今年は特にローファイヒップホップ界隈を中心に”ヨレ感”ブームが起きた年だったように思います。


なんか、結局星野源がいつも先に居るんだよな。


 

 

SuiseiNoboAz / 3020

 

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2007年結成、2010年に向井秀徳プロデュースの1stアルバム「SuiseiNoboAz」が注目を集め、その後ボーカル以外全員のメンバーチェンジを経て現在も活動中のオルタナティブロックバンド。

 

2017年にアルバムをリリースしてから約3年ぶりの新曲で、7分超の大作というハードル高めな楽曲ですが、その中身はもうド級の名作でしたよ奥さん。

 

全編通してラップとポエトリーの中間のようなリズム感で歌われる歌詞と、抒情的ながらもどこか開放感のあるサウンドスケープが合わさって、心地良さを感じながらも所々胸が締め付けられるような不思議な感覚に陥ります。

 

歌詞の内容は楽曲を聴いて確かめて貰いたいので触れませんが、ロックバンドをやっている方なら確実に刺さる金言がいくつも散りばめられていて、是非とも聴いてもらいたいです。

近年の音楽の流行として、サラッとBGM代わりに聴ける音楽が主流となりつつありますが、この曲はそういった傾向へのアンチテーゼだと思っています。

 

多様な時代だからこそ、こういうバンドがもっと評価されて欲しいと切に願っています。ロックンロールは逆回転の力だ。

 

 

 

乃木坂46 / I see...

 

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ラストはご存知、AKB48の公式ライバルとして2011年に誕生したアイドルグループ乃木坂46

こちらは25枚目のシングル「しあわせの保護色」初回限定盤タイプDに収録されていて、メンバーの中でも4期生のみが参加している楽曲です。

 

作曲を担当したのは、嵐の「Love so sweet」等のメガヒット曲を手掛けた"youth case"さんという2人組音楽ユニット。乃木坂46以外にも多数のアイドルグループに楽曲を提供している実力者。

 

このMVが公開された時に「I see...」というワードに続いて「SMAP感」というワードがTwitterのトレンドに入るという謎現象が起きた事で広いリスナーに聴かれるきっかけとなり、いつの間にか表題曲よりも話題になったという経緯があります。

 

楽曲のクオリティも非常に高く、ファンキーなリズムにスラップベースが絡むイントロ、どこを切り取ってもキャッチーなメロディ、華やかで多幸感のある明るい曲調と、アイドルソングのセオリーを壊しながらも王道は外さない完璧すぎる立ち回り。

 

そして何より、変な話題づくりではなくシンプルに、曲が良いという点から話題を呼んでここまでヒットしたという現象が非常に楽しかったです。作曲をしている身として、こんなに嬉しい事は無いだろうなと思うし、曲作りのモチベーションにも繋がった気がします。

 

アイドルソングは聴かず嫌いしているという方も、騙されたと思って聴いてみてほしい1曲でした。最高!

 

 

 

*********

 

 

 

 

以上、1月~3月編でした。いきなりハイライト級の楽曲揃いで、かなり濃度の高い記事となりました。

 

4月~6月編は7曲と大ボリュームでお届けします。心して挑め。

 

 

 

【シュール、おバカ、下品…】爆笑MVの世界

 

皆さんは音楽を聴いて爆笑した事はありますか。僕はあります。

 

 

筆者もブログを書く上で面白みのある文章を書くよう心がけていますが、やはり人を笑わせるのが1番難しい仕事だと痛感する毎日です。普通に良い曲書くより何倍も難しいよね。

 

 

というわけで今回は、私が過去観てきたミュージックビデオの中から、思わず爆笑してしまったものをいくつか紹介します。

シンプルに笑えるものからシュールなもの、少々過激なものもありますがご容赦ください。ここからは一旦精神年齢を男子中学生ぐらいまで下げてから進んでください。

 

あと、今回の主軸はあくまでミュージックビデオなので、コミックバンドのような曲の内容自体が面白いものは紹介しません。悪しからず。

 

 

さぁて、ここまで1つも面白い事を言ってないが大丈夫でしょうか。大丈夫です。

 

 

 

 

ゆらゆら帝国 / 美しい

 

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面白 : ★★★★☆

シュール : ★★☆☆☆

おバカ : ★★★★☆

下品 : ★★★★★

 

まずは国内最高峰の評価を誇るサイケロックバンドの巨匠、ゆらゆら帝国から。こちらは2007年リリースの楽曲ですが、今年3月にめでたく公式からMVが公開されました。

 

手掛けたのは電気グルーヴなどのMVを数多く手掛けている漫画家・小説家の天久聖一さん。水木しげるの作品にも通ずる奇妙でカルトな世界観がゆら帝とベストマッチ。

 

かなりお下品な内容なので受け付けない方もいるかと思われますが、少年時代にギャグ漫画を通ってきた男子なら心がザワザワするのではないでしょうか。単純にストーリーや作画のクオリティは抜群に高く、この年の「SPACE SHOWER Music Video Awards」というMVの賞も獲っています。

 

中盤辺りで急に実写のメンバーの演奏シーンが出てくる所は単純に鳥肌レベルでカッコいいです。

 

 

 

Kanye West / Stronger

 

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面白 : ★★★★★

シュール : ★★★★☆

おバカ : ★★★★☆

下品 : ☆☆☆☆☆

 

僕のブログ記事ではかなり珍しい洋楽からの1曲。先日アメリカ大統領選挙への出馬を表明したというネット記事も話題になった世界最強とも言われるヒップホップアーティスト、Kanye West

 

この曲も2007年リリースながら再生回数2.3億という化け物級の数字を叩き出していますが、その内容はなかなかのクオリティ。

 

内容は一見カッコよく見える普通のMVですが、字幕に何故か日本語を多用していて、しかもその日本語が絶妙に変で笑えるというもの。

 

勿論それはウケを狙っているのではなく、何となくそれっぽい日本語を配置しているだけの事なので、日本人以外の方が見ても全く違和感は無いでしょう。

そのツッコミ不在で進んでいく感じが余計に面白い。変に笑かそうとしてくるMVよりもよっぽど笑えますよね。笑っちゃいけないんだろうけど。

 

ある種偶然の産物的な、奇跡の面白MV。ガソバレ。

 

 

 

MONKEY MAJIK / Delicious

 

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面白 : ★★★★☆

シュール : ★★☆☆☆

おバカ : ★★★★★

下品 : ★☆☆☆☆

 

バカですねぇ〜。

 

今年結成20周年を迎えた多国籍バンド、MONKEY MAJIKが2016年にリリースした楽曲。デビュー直後に大ブレイクし、その後もコンスタントに良曲を量産し続けています。

 

実はこのMV、アメリカで80年代に放送されていた「National Aerobic Championship」というテレビ番組のパロディ(というか丸パクリ)との事。元ネタの動画を見ればどこまで忠実に再現しているか一目瞭然。

 

何より曲が良い。憎たらしい程にグルーヴが効きまくってる。なのにちょっと切ないメロディとチート級の歌唱力。Where’s 文句の付け所?

 

とにかくハッピーな内容なので、下品やグロが苦手な方も楽しめます。

 

 

 

SUPERCAR / BE

 

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面白 : ★★★☆☆

シュール : ★★★★☆

おバカ : ★★☆☆☆

下品 : ★★☆☆☆

 

パワーポップシューゲイザー、エレクトロといった幅広いジャンルを先取りした近未来型サウンドで00'年代以降の邦楽ロックに多大な影響を与えたバンド、SUPERCAR

 

こちらは1999年のアルバム「OOYeah!!」のリード曲のMV。21年前とは思えない革新的でぶっとんだ内容。

主人公の青年がサッカーのフリーキックをして、外す度に周りで見守る彼の家族や大事な人が銃殺されるという、何とも”世にも妙な物語”的展開のストーリー。

今までのが”funny”な面白さだとすれば、こちらは”interesting”の方の面白さ。

 

こちらYouTubeにはショートバージョンしか無く、フルバージョンはApple Music等で配信されているので気になる方は最後まで見て頂きたい。皮肉に満ちたオチまで完璧。

 

 

Joywave / Tongues ft. KOPPS

 

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面白 : ★★★★☆

シュール : ★★★★☆

おバカ : ★★★★★

下品 : ★★★★★★★★ (※過激な描写あり)

 

こちらも洋楽から1本。2010年結成のオルタナロックバンド、Joywaveの1stアルバムからリード曲。

日本ではあまり知名度のないバンドですが、2013年にBig Dataというバンドとコラボした楽曲「Dengerous」がビルボードオルタナティブチャート1位を記録するなど、海外でのオルタナファンには非常に高い評価を受けている。

 

内容はというと、舞台は樹海の様な場所に住む全裸の民族と、それを駆除する人間の攻防戦。銃を撃たれた裸族たちは何故か服を着せられ泣き喚いているが、裸族たちも猟師の服を脱がせ反撃をするという内容。マジで意味不明。夢か。

 

中盤、裸族と猟師の恋模様があったり、ラストスパートの狂気っぷりが加速していく展開は映画を観ているような臨場感。やってる事はただの度を超えた悪ふざけなんですけどね。

 

たまにこういう意味不明な金の使い方をするのがアメリカの凄いところ。

 

  

 

ZAZEN BOYS / Weekend

 

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面白 : ★★★★★

シュール : ★★★☆☆

おバカ : ★★★★☆

下品 : ☆☆☆☆☆

 

鬼才、秀徳向井率いる変態集団ZAZEN BOYSの、サムネがどう見てもライブ映像にしか見えないでお馴染みのMVです。

 

僕はおそらくこれが1番爆笑したMVなんじゃないかと思っています。それぐらい面白かった。

 

ただただひたすらメンバーの演奏シーンを映しているだけの映像なのですが、メンバー全員が終始ふざけている。そしてうっすら笑ってる。それだけ。

 

面白いのは後半の怒涛のカメラワークの畳み掛け。こいつらバカ過ぎる。最高。

サウンドもいい感じにバカっぽくて良いです。もろEW&Fなディスコファンク調のシンセと乾き切ったリズム隊の音色が絶妙に気持ち悪いグルーヴを作り出している。これぞ秀徳向井マジック。

 

実はZAZEN BOYSのMVはこの曲以降およそ12年作られていないのですが、今思えばこれがこのメンバーの集大成だったのかもしれないですね。

 

 

Vivid / 星ノ砂

 

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こういうので笑っちゃいけないって何度言ったら分かるんだ俺。

 

最後に紹介するのは、おそらく昔のヴィジュアル系バンド、Vivid。

このバンドの詳しい経歴とかも分からないし、どこでどうやってこれを見つけたかも不明。解散している事は確かなよう。

 

彼らは決してふざけている訳ではないので本当に申し訳ないのですが、何度見ても爆笑してしまうんです。

何なんだ君たちは。まずその真っ直ぐな目をやめろ。

 

 

何が怖いってコメント欄が誰も笑ってないところ。ファンもさすがに1人だけ半ズボンの奴が居たらおかしいと思うだろうに。1人完全にふざけて弾いてるやつ居るし。

 

 

そろそろ本当に怒られそうなのでこの辺でやめにします。ファンの方もしくはご本人が見ていらしたら本当にごめんなさい。マジでダサいです。

 

 

********

 

 

いかがでしたでしょうか。少しでも笑っていただけたのなら幸いです。

 

 

最後に、今回紹介したゆらゆら帝国のボーカル坂本慎太郎さんが、タワレコの有名なポスターとコラボした際に残した、素晴らしい名言を紹介して終わりにしたいと思います。

 

 

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最後まで見て頂き、ありがとうございました。