諂諛

音楽好きによる音楽好きの為の雑記。

【2020年】今年聴いた音楽を振り返る part.1 【1月~3月編】

 

 

皆さんごきげんよう、今年もこの試練が帰ってきました。

 

激動の2020年、音楽が無ければ間違いなく孤独死していたであろう落第坊や。そんな僕が今年聴いた音楽の中で特に印象的だった曲をただ紹介していく記事になります。

 

 

なお去年と同様、今年も邦楽のみの紹介とさせていただきます。今年は自粛期間中に洋楽も聴き込んで印象的な楽曲を沢山見つけられたので、何らかの形で紹介したいと思っています。去年の記事はこちらから。

 

 

それでは、始めますよ。

 

 

BREIMEN / IWBYL

 

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2015年に母体となるバンド「無礼メン」を結成、その後メンバーチェンジと改名を経て"BREIMEN"としてリリースされたファーストアルバム「TITY」からのリード曲。

 

このMV、確か年明け間もなく公開されていたのですが、何故か1度削除されて7月に再アップロードされたんですね。よって再生数が3万程度と少なめですが、再アップ前は確か40万ぐらいいってたような。結構話題になった楽曲なので知っている方もいるのでは。

 

恐らく8割以上の方はサムネイルのドヤ顔カメラ目線GUYSが目を引くかと思いますが、この壁さえ乗り越えれば間違いなく好きになるはず。再アップロード後もサムネを変えなかったという事は多分そういう事です。知らんけど。

 

ここ数年、こういうお洒落バンドサウンドが市民権を獲得してきて、一見そのムーブメントに乗っかっているだけのバンドに見えなくもないですが、やはり2015年からファンクをやっているだけあって、一味違うグルーヴとメロディセンスを感じました。

硬派なジャズ系の和音から歌メロは切なく愛嬌のあるメロディで、ジャンルレスに展開していく感じがめちゃくちゃ気持ちいい!

 

年明け早々、これは豊作の年になるぞと思いましたよ。数か月後にやってくる大飢饉など知る由も無く、、、

 

 

Anly / We'll Never Die

 

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1997年生まれ、6歳からギターを始め2015年にはメジャーデビューを果たしたスーパー天才シンガーソングライター、Anly。ご存知でしょうか。マジですげぇっすこの方。

 

彼女の武器といえば、ループステーションを用いた楽曲作りとライブなのですが、この楽曲にもその特性が存分に活躍しています。

 

実はこの曲、コード進行がCメロを除いて全編同じ4つのコードをループしているんですね。

Aメロ、Bメロ、サビとメロディは全く違うのですが、裏で鳴っているコードはずっとC#m / A / B / E の繰り返しで成り立っています。

同じコード進行がずっとループしているとどうしても単調な曲になりがちなのですが、この展開力と美メロを詰め込むことができるのは本当に凄いです。只者じゃないぞ。

 

作曲のセンスもさることながら、歌詞の内容も相まってか何か重大なメッセージ性を纏っている曲だと思うんですね。昨年亡くなったAviciiへのアンサーソングではないかという推測もあるようですが、メロディのどこか懐かしい感じもAviciiを彷彿とさせます。

 

いきなり長々と語り過ぎましたが、個人的には本当に100点満点の楽曲でした。今年1番記事にしたかった。

歌ってる時の表情も好きなんですよね。顔で歌わない感じがクールで良いですね。要チェケやで。

 

 

 

CHAI / NO MORE CAKE

 

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2012年結成、”ニュー・エキサイト・オンナバンド (NEO)"をコンセプトに活動するガールズバンド、CHAI

 

もはや説明不要ぐらいの知名度と実力を兼ね備えている彼女たちですが、海外でも話題になった楽曲「N.E.O」や、昨年リリースしたアルバム「PUNK」から更にドープな方向に振り切った会心の1曲。

これ、個人的にはめちゃくちゃ好きでした。今年の邦楽の中でもトップクラスにハマりました。

 

全体を通してすごく尖ってて、ある種の怒りのようなメッセージを感じる曲だと思います。音の質感もめちゃくちゃ硬質で、ぶっとい低音が終始ブイブイ鳴っていて気持ちいい。

序盤でカナちゃんが笑いながら歌う所とか、めちゃくちゃ強者感ありますよね。何がNEOカワイイだよ。全力でカッコいいよ。

 

昨年頃から海外での評価が高まってきて、海外での活動も増えてきている彼女たちですが、個人的にはもう海外でのプロモーションがメインで活動してもいいと思います。自由奔放なスタイルを貫いて、それが真っ当に評価されるフィールドで活躍するのがベストですよね。いやぁ素晴らしい。

 

 

 

さとうもか × NF Zessho / empty dream

 

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1994年生まれ岡山出身の女性SSWさとうもかさんと、1993年生まれ福岡出身のラッパー/トラックメイカーNF zesshoのコラボ楽曲。

 

両名とも既に音楽好きの中では絶大な評価を得ている超実力派で、音楽プロデューサーの蔦屋好位置さんはこの楽曲を2020年上半期のフェイバリットに挙げていました。

 

いわゆる”ローファイヒップホップ”という、今年密かにブームを起こしたヒップホップの派生ジャンルに分類されるサウンドかと思いますが、その中でも頭一つ抜けている完成度なんじゃないかと勝手に思ってます。


サンプリングビートの微妙なヨレ感とか、ボーカルの音質のアナログ感とか、ちょっとした隠し味がとても良い方向に作用していると思います。


星野源PUNPEEが昨年コラボしていた「さらしもの」という楽曲も、同じように”ヨレ感”を堪能できる名曲だった気がしますが、今年は特にローファイヒップホップ界隈を中心に”ヨレ感”ブームが起きた年だったように思います。


なんか、結局星野源がいつも先に居るんだよな。


 

 

SuiseiNoboAz / 3020

 

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2007年結成、2010年に向井秀徳プロデュースの1stアルバム「SuiseiNoboAz」が注目を集め、その後ボーカル以外全員のメンバーチェンジを経て現在も活動中のオルタナティブロックバンド。

 

2017年にアルバムをリリースしてから約3年ぶりの新曲で、7分超の大作というハードル高めな楽曲ですが、その中身はもうド級の名作でしたよ奥さん。

 

全編通してラップとポエトリーの中間のようなリズム感で歌われる歌詞と、抒情的ながらもどこか開放感のあるサウンドスケープが合わさって、心地良さを感じながらも所々胸が締め付けられるような不思議な感覚に陥ります。

 

歌詞の内容は楽曲を聴いて確かめて貰いたいので触れませんが、ロックバンドをやっている方なら確実に刺さる金言がいくつも散りばめられていて、是非とも聴いてもらいたいです。

近年の音楽の流行として、サラッとBGM代わりに聴ける音楽が主流となりつつありますが、この曲はそういった傾向へのアンチテーゼだと思っています。

 

多様な時代だからこそ、こういうバンドがもっと評価されて欲しいと切に願っています。ロックンロールは逆回転の力だ。

 

 

 

乃木坂46 / I see...

 

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ラストはご存知、AKB48の公式ライバルとして2011年に誕生したアイドルグループ乃木坂46

こちらは25枚目のシングル「しあわせの保護色」初回限定盤タイプDに収録されていて、メンバーの中でも4期生のみが参加している楽曲です。

 

作曲を担当したのは、嵐の「Love so sweet」等のメガヒット曲を手掛けた"youth case"さんという2人組音楽ユニット。乃木坂46以外にも多数のアイドルグループに楽曲を提供している実力者。

 

このMVが公開された時に「I see...」というワードに続いて「SMAP感」というワードがTwitterのトレンドに入るという謎現象が起きた事で広いリスナーに聴かれるきっかけとなり、いつの間にか表題曲よりも話題になったという経緯があります。

 

楽曲のクオリティも非常に高く、ファンキーなリズムにスラップベースが絡むイントロ、どこを切り取ってもキャッチーなメロディ、華やかで多幸感のある明るい曲調と、アイドルソングのセオリーを壊しながらも王道は外さない完璧すぎる立ち回り。

 

そして何より、変な話題づくりではなくシンプルに、曲が良いという点から話題を呼んでここまでヒットしたという現象が非常に楽しかったです。作曲をしている身として、こんなに嬉しい事は無いだろうなと思うし、曲作りのモチベーションにも繋がった気がします。

 

アイドルソングは聴かず嫌いしているという方も、騙されたと思って聴いてみてほしい1曲でした。最高!

 

 

 

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以上、1月~3月編でした。いきなりハイライト級の楽曲揃いで、かなり濃度の高い記事となりました。

 

4月~6月編は7曲と大ボリュームでお届けします。心して挑め。