諂諛

音楽好きによる音楽好きの為の雑記。

サビが一回しかない曲を思い浮かべて被ったら死亡 【Apple Music共有プレイリストあり】

 

こんばんは、今日も元気にドミナントモーションかましていますでしょうか。

 

 

ありがたいことに、いつもこの記事を見てくださっているコアな音楽ファンの方々の声もちらほら頂いていて、大変うれしい!

 

ブログを開設してから2年近く経ったのもありまして、「こういう企画をやってほしい」等の要望ございましたら、まんまと採用すると思いますので、コメントお待ちしております。

 

今回のような「縛りプレイリスト企画」も続けていきたいと考えていますので、こういうテーマで集めてほしいという声もお待ちしております。

 

 

 

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突然ですが、「サビが一回しかない曲」をパッと1曲思い浮かべてくださいと言われて、思いつく曲がありますでしょうか。

 

当然J-POPの大半の楽曲はサビが2回以上繰り返されるのが定石であって、そもそも1回しか登場しないメロディをサビと呼んでいいのか疑問ですらある所ですが。

 

 

恐らくこの記事を読んで下さっているコアな音楽オタクの皆様ならば1曲や2曲探せば見つかるかと思いますが、僕には敵わないでしょう。

 

何故なら僕は今回この記事を作るために、およそ3か月のリサーチを経て約20曲の「サビが1回しかない曲」プレイリストを作成致しました。

20曲て。そんなあったんか。ウケるんですけど。

 

 

そんなわけで僕は今、このテーマにおいて人類最強なんです。色々ググったり調べてみてもこのテーマにおいてちゃんとまとめて紹介している記事はありませんでした。ああ気持ちいい。私は今孤高に居る。

 

 

というわけで今回の趣旨はタイトルにもある通り、皆さんに死んでもらおうと思いました。

 

 

あなた方のような「サビが1回しかない曲20曲知らない勢」などこの世から排除してやろうと思いますよ。私は本気ですよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

RADWIMPS / オーダーメイド

 

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本当にごめんなさい。死んでもらいます。

 

恐らく私たち世代の音楽好きの中ではこれが思い浮かぶ人が1番多いのではないでしょうか。なんせオリコン1位シングルですから。

 

のっけから壮大な物語のはじまりを予感させる「きっと僕は尋ねられたんだろう 生まれる前どこかの誰かに」というフレーズで始まり、神様と自分の対話を延々綴っていく歌詞は完成度抜群。

そして訳4分半引っ張りに引っ張って突然やってくる大サビは何度聴いても鳥肌スタンディングオベーションですよ。

 

何よりシングル表題曲でこの構成に挑んで当時の自身最高セールスを更新するんですから、もう何やっても許されるでしょう。

 

RADWIMPSはこの後も「ドリーマーズハイ」「スパークル」等、大サビを最後に持ってくるパターンの楽曲を多数作っています。

 

 

 

THE BLUE HEARTS / 情熱の薔薇

 

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こちらも有名ですね。残念ながら死んでもらいます。

 

色々調べたんですが、日本のシングル表題曲で、明確なサビといえるメロディが1回しか登場しない楽曲はこれが初めてだという説が有力のようです。サビがない曲はいくらでもありますけどね。

 

確かに当時の邦楽シーンの傾向で言えば、楽曲を流して宣伝できる媒体がテレビかラジオしか無かった時代で、いかにサビを印象付けてCDを買ってもらうかを重要視していた訳ですから、この構成はかなり挑戦的だったと言えるでしょう。

 

何故このような構成になったかという理由ですが、雑誌のインタビューで「この頃は屈折した曲作りをしていた」と本人が語っているように、デビュー作「THE BLUE HEARTS」の大ヒット以降のブルーハーツは、やや抽象的な歌詞が増えたり音楽性がマニアックになっていった傾向があり、そんな時期にこのアイデアも生まれたらしい。

 

こういった形で商業音楽に対するアンチテーゼを体現できるのは正にブルーハーツといった感じ。痺れるぜ~。

 

 

 

King Gnu / Flash!!!

 

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サビどこだよ。

 

皆さんご存知ヌー先輩の、意外と数少ないゴリゴリロックナンバー。AABAというどシンプルな構成でイントロからケツまで怒涛の勢いで駆け抜ける爽快感が堪りませぬな。

 

上で紹介した2曲と違いサビまでの助走は長くなく、あくまで展開を色付ける為のいわば曲がり角のような役割を担っているのがこのサビの面白い所。そして導入のAメロは終盤になるとサビ同様の盛り上がりを見せ、何の違和感もなくスパッと終わるようにうまい事メロディを調整していると思います。

 

脚光を浴びた1st「Tokyo Rendez-Vous」の後にリリースされて、ある意味1番勝負のタイミングでこの曲が出て、あまりにも鮮やかにハードルを飛び越えたなという会心の1曲でした。ただ歌詞はダサい。

 

 

 

 

ユニコーン / WAO!

 

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こちらも有名な「サビ1回ソング」の1つとされています。

 

恐らくその理由として考えられるのは、この曲がやや不自然な構成だからだと考えられます。

 

聴いていただくのが1番早いのですが、曲構成としては「ABCDABC」(Dがサビ)となっており、最初の1コーラスは普通のJ-POP構造でサビまで到達し、同じようにAメロBメロCメロと展開してもう1度サビが来ると思わせて、来ないんですね。

正直心せず聴いていると「あれ、終わり?」と拍子抜けする不思議な展開なんです。

 

この曲は2009年、ユニコーン再結成後の1曲目として大々的にリリースされ、アクエリアスのCMタイアップまでついていました。

世間の注目を浴びないわけがないこの楽曲だからこそ、あえて一筋縄ではいかないバンド本来の特性を生かした構成に挑んだのではないかと思います。ユニコーンはもともとサビをあまり繰り返さない楽曲が多いんですよね。

 

この曲を最初に思い浮かべたあなたはなかなかセンスあり。重傷ですむでしょう。

 

 

 

 

宇多田ヒカル / 真夏の通り雨

 

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おめでとうございます。生存です。

 

この曲も有名な曲ですが、サビが1回しかない事は意外と知られていない「隠れサビ1回ソング」なんです。

 

ほぼ全編にわたり声、ピアノ、ストリングスのみで構成されており、局所的に配置されたキックの打ち込みの音が印象的で、アウトロで初めて全部の楽器が一緒に鳴り始める展開は本日2度目の鳥肌スタンディングオベーション。流行れ。

 

曲構成としてはABABAACAD(Cがサビ)と、AメロBメロの往復を経てサビへ展開していく「オーダーメイド」に近い構造ですね。ただ前者は圧倒的に言葉数が多いので、こちらの方が聴いていてあっという間に感じます。曲の長さは同じくらいなんですね。意外。

 

 

少し趣旨から逸れますが、僕はこの曲を2016年の最高傑作だと思っていて。あまりにも有名なアーティストなのでそう雄弁に語るまでも無いとは思いますが、本当に聴く度に映画を見た後のような余韻に浸ってしまうんです。

 

僕は曲作りをする上で、「音で情景を作る」という一つの指標みたいなものがあって、曲のキー、音質、コードワーク、メロディなどの歌詞以外の部分で、ある程度共通認識として持てる情景をイメージできる音を作りたいと思っているんですが、この曲は正にその理想形なんです。嫉妬する隙も無いぐらい完璧。

 

 

 

人が幸せを求める時のグロい感じとか、お互いが他人からの良い評価を山分けしましょうねって思い合っている時の地獄のような冷たさとか、そういう余計な物ばっかりクリアに可視化される時代だからこそ、その片隅で細流のようにひっそりと流れ続けていてほしい1曲です。

 

 

 

 

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ここまで生き残れた皆さん、おめでとうございます。

 

 

今回紹介した5曲に加えて、全20曲のサビ1ソングをプレイリストにまとめましたので、興味のある方は是非聴いてみてください。

 

どれも唯一無二の構成で聴きごたえ抜群の20曲となっています。僕は通して聴いた時めちゃくちゃ胃もたれしました。何卒。

 

 

 

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