しりとり名曲紹介 No.6 [涙の成分について / セツナブルースター]
前回のしりとり名曲紹介は長々と書きすぎて1日公開を遅らせてしまったので、今回はなるべくさっぱりと終わらせようと思います。
概要
・邦楽オタクの僕が、人生で特に影響を受けた楽曲、音楽ファンなら絶対に聴くべき往年の名曲、時代と共に完全に忘れられつつある超・隠れた名曲を紹介するコーナーです。
・その名の通り紹介する楽曲の名前を、しりとりで繋いでいくというマゾ縛りとなっています。
・基本的にアーティストの被りは無し、「ん」で終わる曲は1つ前の文字を繋いで続行します。
(例)にんじゃりばんばん → 「ば」から始まる曲を次回紹介。
涙の成分について / セツナブルースター
1998年結成、2002年にメジャーデビューしたスリーピースバンド、セツナブルースター。
この曲は2004年にリリースされた楽曲で、このシングルが出た4年後に解散してしまったので、現時点での最後の作品になっています。
この曲に出会ったのは中学生の時だったと思うのですが、なんとなくセツナブルースターという名前の響きから、サクラメリーメンとかカラーボトルのような爽やかポップス寄りのバンドだと思って聴いたのを覚えています。
なに、現実はそう甘くはないぞよ。
と言わんばかりの、えげつなく切ない曲。
セツナは他の曲もほぼこんな感じのバラード曲が多いので、あんまり連続で何曲も聴くと死にます。
比喩じゃないです。
比喩です。
この絞り出すようなボーカルの声も、決して冴えてる訳じゃないビジュアルも、ちょっと低予算感のあるMVも相まって、これ以上ない切なさを醸し出していて、最初聴いた時は、正直あまり好きになれませんでした。
テレフォンズでお口直ししました。ごめんなさい。
しかしそれから何年後か、ふと思い出してこの曲を聴いてみたら、ものすごく良い。いいぞこれ。
なんというか、年を重ねて大人になるにつれて、少年だった頃を思い返した時の切なさとか懐かしさって増していくもので、
このサビの3部コーラスが入る瞬間に、何とも言えないノスタルジーを感じるような。
よく「死にたくなる」と形容されるあの感情。僕はあんまり好きな形容ではなくて、個人的には「戻りたくなる」感覚に近い気がしていて。
とにかくエモい。どエモいんですよ。
ドナドナに匹敵するんですよ。保育園でお迎えを待ってる時の気持ち。
ずっと幸せな時間しか過ごしていない人間なんて一人もいないわけで、誰もが何年かに一度本当に辛い時期とか大きな失敗があると思っていて、たまに寝る前に思い出して「ぼく寂しすぎると死んじゃうぴょん。。。」とベッドを抱きしめることってあるじゃないですか。
セツナの曲はそんな僕に剛速球のD#mをぶつけてくる。
ほんで多分半音下げチューニングなんだろうけどこのバンド、キーD#mもんすぉい多用してるんですよ。バンプオブチキンもびっくりするレベル。
そうは言っても、やっぱり暗いだけではいい音楽にはならないわけで。セツナの楽曲は本当に作りこまれているんですよね。
ギターベースドラムいずれかの楽器をやったことがある人なら聴いて分かると思いますが、どれも変わった弾き方していて、コピーするのめちゃくちゃ難しいんです。
特にギターに関しては、弾きながら歌えるレベルじゃないし、リズム隊もコーラスしながらクソ変なフレーズ持ってくるし、曲構成も一筋縄ではいかない聴いていて飽きない構成。
何気ないところに作曲センスがめちゃくちゃ光ってるバンドなんですねぇ。
セツナブルースターは2008年に解散、邦楽ロック好きの間では伝説のバンドと語られていましたが、今年再結成を果たしライブもやっています。
できることなら、また彼らが新しい楽曲を作ってくれることを願っています。
今回はこの辺で。次回は「て」から始まる名曲を紹介します。