諂諛

音楽好きによる音楽好きの為の雑記。

しりとり名曲紹介 No.14 [グレープフルーツちょうだい / ゆらゆら帝国]


昨日ぶりの方は、どうも昨日ぶりでございます。

3月更新が少なかったので、2日連続で更新してみました。実は前回の記事は1週間ほど前にほとんど書けていたので余力でズリズリと書いています。

 

早く終わらせないとこのペースだと50回更新するのに2年ぐらいかかりそうだったので、今後もたまに連続更新をするかもしれないです。

まあ、時事ネタでもないので好きな時に一気に読んでいただくのも手ですからね。

とにかく記事にした曲を聴いていただければそれ以上は何も望みません。成仏します。

 

 

 

概要

 

・邦楽オタクの僕が、人生で特に影響を受けた楽曲、音楽ファンなら絶対に聴くべき往年の名曲、時代と共に完全に忘れられつつある超・隠れた名曲を紹介するコーナーです。

・その名の通り紹介する楽曲の名前を、しりとりで繋いでいくというマゾ縛りとなっています。

・基本的にアーティストの被りは無し、「ん」で終わる曲は1つ前の文字を繋いで続行します。

(例)にんじゃりばんばん → 「ば」から始まる曲を次回紹介。

 

 

 

グレープフルーツちょうだい / ゆらゆら帝国

 

 

1989年結成、1998年にアルバム「3×3×3」でメジャーデビュー。2010年に解散したサイケデリックロックの筆頭と言える伝説のロックバンド。

 

ボーカル坂本慎太郎は現在ソロ活動を行っていますが、昨年日本で初めてのソロワンマンライブがチケット即完のプレミアライブとなるなど、コアな音楽ファンからの人気が根強いアーティストですね。

 

 

この楽曲は、ゆら帝メジャーデビュー前の1996年にインディーズでリリースされた「アーユーラ?」に収録されています。

なんとなく「空洞です」ぐらいなら知ってるぐらいの人であれば、ゆらゆら帝国といえばお洒落で脱力感のある、ちょっと変わったバンドぐらいの認識かと思います。

 

ところがどっこい「グレープフルーツちょうだい」でござるよ。もうタイトルからイカれてるんですよ。

 

 

 

ぶっ飛んでいる

 

正直、この一言で説明終われるぐらいのぶっ飛び具合なんですが。皆様そろそろ聴き終わった頃でしょうか。

人類が長い事長い事かけて作り上げた大衆音楽としての様式美を、開始1秒で台無しにするレベルの唐突な始まり。これは期待できそうじゃないですか。

 

初期のゆらゆら帝国の楽曲はこのパターンが非常に多く、イントロも無く唐突に始まる事が結構あるが故、開始1秒のインパクトがすこぶる大きいんですね。良いYouTuberみたいな感じですね。

歌詞に関しては逐一説明していたらキリがないのですが、簡潔にまとめるとずっと理解不能な事を言っているだけです。

 

まずこのブツブツ呟いている低音慎太郎と、遠くでヒステリックに叫んでいる高音慎太郎が、同時に同じ歌詞を読み上げ続けている状況が、私たち凡人に理解できると思って録音したのか問い正したいですよね。

ちなみに2004年にリリースされたベストアルバムにこの曲の再録バージョンが収録されたのですが、こちらは低音慎太郎のみになっています。

 

 

そして、ここまでならただのカオスなおふざけソングになってしまう所を、そうならないのが演奏技術の凄さ。

ギターリフだけ聴くとどちゃくそ硬派なガレージロックになってもおかしくないレベルの超正統派なリフを弾いています。坂本慎太郎はライブで語りとこのギターを同時に弾くので驚き。超実力派YouTuberであることが分かりますね。

 

 

 

ずっとふざけていてほしい

 

筆者は作詞作曲活動も行っていて、自分のバンドの曲を作っているとどうしても真面目に作った方がいいのかと考えがちになるんです。

それは僕に限ったことではなくて、特に音楽のストリーミング化が進んだここ2,3年ぐらいの売れ線で活躍するミュージシャンの方々は特に意識する事だと思います。

 

展開の不自然さだったり伝わりづらい歌い回しを排除したりする事もあったり、最近の音楽市場の流れから、曲が長いとウケない風潮があったりして、楽曲自体の長さを短くする努力をしたりと、何かと消費者目線で作りがちになってしまうんですね。

勿論それは間違ったことではないし、むしろ時代に適応するのは音楽のあるべき姿だと思います。

 

 

坂本慎太郎さんはゆらゆら帝国のインタビュー記事などで「ゆらゆら帝国は自分たちの好きな事をただやっているだけ、たまたま見た人が食いついてきてくれただけ」といった旨の事をよく言っていたのですが、本当に彼らの活動スタンスはその姿勢を貫いていて、いわゆる売れる為の音楽みたいなものをほとんど意識せずに活動していたバンドでした。

 

ゆらゆら帝国の歌詞は、どれを見ても一見支離滅裂でふざけているようなものばかりで、まるで漫画の世界観のようなシュールな歌詞ばかりなのです。

サウンドにおいても、メジャーとは思えないぐらい自由に遊びまくっていて、丸ごと1曲一般の女の人に歌わせたり子供に歌わせたりしていた事もある程。

ある意味打算的でないバンドであったとも思いますが、そのスタンスに憧れるミュージシャンやバンドマンも多く、ゆえに解散した今でもファンが絶えることが無いのです。

 

 

時代の流れに翻弄されて、バンドマンさえも商業的な事を考えて活動している昨今ですが、今こそゆらゆら帝国のような、ぶっ飛んだ音楽を聴いてほしい。

ロックバンドなら、とことんまでふざけてほしいと私は強く思っています。

 

 

 

 

***

 

今回はこの辺で。次回は「い」から始まる名曲を紹介します。

 

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